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“音速の貴公子”の名を冠した超軽量スーパーカーをオークションで発見 走行距離わずか385キロ “ほぼ新車”のマクラーレン「セナ」の価値とは

限定500台のうち48番目の個体

 2025年12月にUAE(アラブ首長国連邦)アブダビで開催されるRMサザビーズ主催のオークションに、2019年式マクラーレン「セナ」が出品される予定です。

 どんなクルマなのでしょうか。

 2017年12月のマクラーレン・ウィンターボールにて、マクラーレン・セナはその勇敢な姿を披露しました。

 花火に照らされながら、湖を回ってマクラーレン・テクノロジーセンター本社に向かうセナは、そのデザインがダウンフォースを生み出すことに焦点を当てていることがひと目で分かります。これは、世界中のサーキットで最速の公道車を作るための極限の試みだったのです。

 その目標達成は、セナにとっては十分に実現可能なものでした。

 セナは元々、純粋なレーシングカーとして開発されていたからです。「P15」というコードネームで開発されたこのセナは、マクラーレン・アルティメットシリーズの第3作目であり、「F1」と「P1」に続くモデルです。

 セナには、ツインターボチャージャー付きの4リッターV8エンジンが搭載されており、P1や「650S」よりも200cc大きい排気量を誇ります。この排気量が選ばれた理由は偶然ではありません。4リッターというエンジンサイズは、ル・マン24時間レースを主催するオートモビル・クラブ・ド・ラ・ウエスト(ACO)が定めた強制吸気エンジンの最大排気量に合致していたのです。

オークションに出品される予定の2019年式マクラーレン「セナ」Abdulla Jaafari(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品される予定の2019年式マクラーレン「セナ」Abdulla Jaafari(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

 2018年のセナGTRのコンセプトが示すように、サイドライトに表示されたトラックポジションなどの規則に準拠するデザインは、世界耐久選手権への参戦を視野に入れていたことを示しています。

 結局、セナはレースキャリアを歩むことはありませんでしたが、名前に3度のF1ワールドチャンピオンでありマクラーレンの象徴的な存在であるアイルトン・セナを冠しているこのモデルは、サーキットで体験できる最も優れた公道車のひとつとなっています。

 セナは、789馬力を7速デュアルクラッチギアボックスを介して後輪に伝え、わずか2.8秒で0から100km/hに到達します。

 さらに、P1のハイブリッドシステムを排除したことで、セナの乾燥重量は1200kg未満となり、マクラーレンF1以来、最軽量の車となりました。

 過激な外観と巨大なリアウィングは、800kgのダウンフォースを生み出し、素晴らしいコーナリング性能を提供します。この性能は、純粋で優れたハイドロリックステアリングを通じてドライバーに伝わり、ブレンボのカーボンセラミックブレーキもセナの性能を支える重要な要素となっています。これらの要素が組み合わさり、セナは現在もその性能基準の象徴とされています。

 セナは500台の限定生産車であり、今回の出品車は48番目の車両です。

 外装は主にアラスカン・ダイアモンド・ホワイトで仕上げられており、フロントスプリッター、ウィンドスクリーンスカットルの基部、エンジンベント、スワンネック型のリアウィング、ディフューザーには精緻なカーボンファイバーが使用されています。

 青いアクセントは、アクティブインボード・フロントウィングレット、リアウィングのエンドプレート、ブレーキキャリパー、センター・ロック式ホイールナットに施されています。

 バタフライドアを開けると、視認性を高めるために新たにデザインされたガラスサイドパネルを備えたブラックアルカンターラのインテリアが現れ、ブルーのステッチとカーボンファイバーのトリムが施されています。このマクラーレン・セナは、アルミニウム製のスイッチギア、ブルーのレーススタイルハーネス、ドアのためのブルーのストラットなど、さらに特別な仕様が施されています。ドアは上部のトグルスイッチで操作されます。

 2018年7月に製造されたシャシ番号048は、2019年2月11日にマクラーレン・ドバイから新車として納車されました。

 それ以来、単一のオーナーによって大切に保管され、非常に少ない距離しか走行していません。カタログ記載時には走行距離は385kmです。

 2018年3月のジュネーブモーターショーでの公表前に完売し、モータースポーツのレジェンドにちなんで名付けられ、驚異的なパフォーマンスを誇るマクラーレン・セナは、現代マクラーレン・オートモーティブのストーリーにおけるハイライトのひとつといえるでしょう。

 2019年式マクラーレン「セナ」、予想落札価格は85万ドルから120万ドル(1USドル=155.8円換算で日本円で約1億3250万円から1億8700万円)とされています。

Gallery 【写真】故アイルトン・セナの名前を車名にしたマクラーレン「セナ」を見る(25枚)
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