マニアック…、だがそこがいい! 質実剛健さに定評あるドイツブランド「Sinn(ジン)」の個性際立つ時計3選
定番の安心感にマニアックなこだわりをプラス。独自路線で進化を続けるプロスペックウォッチ
1961年にフランクフルトにて創業したSinn(ジン)。自らもパイロットであり、また飛行教官として後進を育成する立場でもあったヘルムート・ジンの手によって設立されたこのブランドは、いまや特殊部隊やレスキュー隊が信頼を寄せるプロスペックウォッチの代名詞となっています。
伝統のパイロットウォッチ「103」やミニマムな機能美を備えた「556」、究極のツールウォッチ「EZM」などで知られますが、ジンの真の面白さはさらにその先をゆく、突き抜けた個性にあります。
今回は2024〜2025年に発表されたモデルの中から、定番の安心感にマニアックなこだわりをプラスしたユニークな3本をピックアップしてご紹介します。
シリーズ初のスモセコ搭載。伝統の堅牢性はそのままに、日常に映える美しさをまとった3針モデル
端正な佇まいで人気を博している「104」シリーズ。存在感のあるベゼルをはじめ、創業以来の伝統であるパイロットウォッチとしてのストイックなスタイリングを踏襲する3針モデルです。
中でも2025年秋に登場した「104 クラシック 12」(47万8500円〜 消費税込)は、シリーズ初のスモールセコンドを6時位置に備えたクラシカルなバリエーション。
ベゼル部分は従来モデルと違い、アラビア数字による12時間表示のみのシンプルな意匠を用い、これまでにないデザイン性を感じさせます。
またシリーズとして初めてセラミックをベゼルのインサートに採用、優れた耐摩耗性で美しい輝きをより長く楽しめます。
ドイツ工業規格DIN8310に準拠した20気圧の防水性能や耐圧性を備える一方、スモールセコンドやアワーマーカー、ブランドロゴを淡くやさしいベージュカラーが彩るなど、いままでの「104」にない洗練をたたえた1本となっています。

「Sinn 104 クラシック 12」
・価格(消費税込):57万2000円(ファインアジャストブレスレット)、56万1000円(5連ブレスレット)、48万9500円(ヴィンテージカウレザー)、47万8500円(テキスタイルストラップ)
・サイズ:41mm径・11.9mm厚
・時計本体重量:75g(ベルト除く)
・ケース:ポリッシュ仕上げのステンレススチールケース
・ムーブメント:機械式 自動巻 セリタSW 261-1(時・分・スモールセコンド。28,800振動、DIN8309準拠の耐磁性能4,800A/m)
・駆動時間:パワーリザーブ約38時間
・防水性能:20気圧防水
100気圧防水&ダイアル全面発光! 暗所での視認性を確保しまくる屈強なダイバーズ
ジンのダイバーズ「U1」といえば、ドイツ潜水艦に使用される鋼鉄“Uボート・スチール”を素材に採用、100気圧(=1,000m)の防水・耐圧性能を誇る時計界屈指のタフネスダイバーズ。
表面にDLCおよびテギメント加工を施した屈強なブラックケースに驚きのギミックを仕込んだのが、2025年11月に世界300本の数量限定で登場した「U1 S L」(84万400円〜 同)です。
通常、インデックスや針に塗布されることの多い蓄光塗料ですが、このモデルではダイアル全体が光る特別仕様を採用しています。
これは発光塗料を金型で成形し硬化処理を行なった上でダイアルの地板と接合するという手の込んだ手法で仕上げられたもので、光の届かない深海でも確実な視認性を提供します。
もちろん日常生活の中で使用することを考えればオーバースペックではあるけれど、暗がりのなかに青白く浮かぶダイアルはなんともいえず神秘的。
ともすればそっけないほどの質実剛健な表情と、闇の中で圧倒的な存在感を放つ発光ダイヤルとのギャップには、なんともいえず惹かれます。

「Sinn U1 S L」
・価格(消費税込):92万4000円(シリコンストラップ)、84万400円(テキスタイルストラップ)、96万300円(ダブルロック式ブレスレット)
・サイズ:44mm径・14.7mm厚
・時計本体重量:113g(ベルト除く)
・ケース:Uボート・スチール(PVD加工+テギメント加工)
・ムーブメント:機械式 自動巻 SW 200-1(時・分・秒、28,800振動、DIN8309準拠の耐磁性能4,800A/m)
・駆動時間:パワーリザーブ約38時間
・防水性能:100気圧防水
・販売数量:世界限定300本
あのブランドと瓜二つ!? 数奇な運命を継承するナビゲーション・ツールの最新型
冒頭でもお伝えした通り、空とは切っても切れない関係にあるジンですが、それを象徴するモデルのひとつが「903」シリーズ。
複雑な計算尺を備えたこのクロノグラフは、クオーツウォッチが台頭した1970年代、苦境に立たされたブライトリングから継承した「ナビタイマー」のデザインとパーツの供給ラインから誕生したという、じつにユニークな背景を持つモデルです。
現行レギュラーモデルとして展開する「903,St.II」(75万9000円〜 同)は2024年の大幅リニューアルによって生まれたもの。
サイズこそこれまでのモデルと変わりませんが、ムーブメントにはコラムホイール搭載のラ・ジュー・ペレ LJP L110を採用。
無段階で操作できるインナーベゼルの採用や20気圧まで強化された防水性能、高濃度の夜光塗料を練り込んで成形されたアワーマーカーや針など、歴史に裏打ちされた伝統のデザインを数々の最新技術で昇華させた逸品です。

「Sinn 903.St.II」
・価格(消費税込):84万1500円(ブレスレット)、75万9000円(カウレザーストラップ)、77万円(型押しカーフ、またはホースレザーストラップ)
・サイズ:41mm径・14.5mm厚
・時計本体重量:84g(ベルト除く)
・ケース:ステンレススチール
・ムーブメント:機械式 自動巻 ラ・ジュー・ペレ LJP L110(時・分・秒(スモールセコンド)、30分積算計、12時間積算計、28,800振動、DIN8309準拠の耐磁性能4,800A/m)
・駆動時間:パワーリザーブ約60時間
・防水性能:20気圧防水
定番の一歩先で、マニアックな魅力を味わい尽くす
ジンの時計に共通するのは、「機能があるからこそ、この形になった」という揺るぎない説得力です。
今回ご紹介した3本のいずれにも、その根底にはブランドが守り続けてきた哲学と矜持が息づいています。
「人とは違うものがいい。けれど、歴史や技術に裏打ちされた本物が欲しい」
そんなわがままな願いを叶えてくれるのが、ジンのマニアックな傑作たちなのです。
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