世界限定399台の「スゴいフェラーリ」がオークションで驚愕落札 走行わずか1200キロ ビッカビカの極上「エンツォ」の今の価値とは
ケン・オクヤマがデザインした新世紀の究極のハイパーカー
2026年1月に米国アリゾナ州フェニックスで開催されたRMサザビーズ主催のオークションに、2003年式フェラーリ「エンツォ」が出品され、高値で落札されました。
どんなクルマなのでしょうか。

現代のハイパーカーの基本的な枠組みを築いたメーカーを挙げるなら、フェラーリをおいて他にありません。
1980年代後半の「288GTO」や「F40」、そして1990年代の「F50」に至るまで、フェラーリは卓越した性能と美しい造形を備えた少量生産の特別なロードカーを生み出し、限られた顧客に届けてきました。これらのモデルは当時だけでなく、現在においても史上屈指の刺激的な量産スポーツカーとして高く評価されています。
1998年にF50の生産が終了すると、次なるフェラーリの頂点がどのような姿になるのか、ティフォシの期待は一気に高まりました。V8かV12か、スパルタン路線か官能的な方向性か、さまざまな憶測が飛び交います。
その答えが示されたのは2002年でした。当時の社長ルカ・ディ・モンテゼーモロ氏によって発表された新型フラッグシップ、その名は「エンツォ」。ついに創業者エンツォ・フェラーリの名を冠するモデルが誕生したのです。
当時フェラーリはF1で黄金期を迎えており、ミハエル・シューマッハ選手による伝説が始まった直後でした。エンツォは、そのF1技術と精神を色濃く反映したロードカーとして構想されました。
2002年のパリ・モーターショーで公開されたエンツォは、カーボンファイバーとノーメックス・ハニカム構造のモノコックを中心に、アルミ製サブフレームとピニンファリーナ設計のボディを組み合わせた最先端の構成を採用しています。
デザインを手がけた奥山清行氏は、オープンホイールレーサーを思わせる造形を「皮膚で包んだ」かのような独特のフォルムを生み出しました。風洞実験で磨かれた空力性能と相まって、他に類を見ない存在感を放っています。
搭載されるF140B型65度V12エンジンは、約6リッターの排気量から651馬力と485ポンドフィート(約658Nm)を発生します。この系譜は後に「599」、「F12」、「ラフェラーリ」へと受け継がれました。6速デュアルクラッチとの組み合わせにより、0–60mph加速3.3秒、最高速度218mph(約351km/h)という驚異的な性能を誇ります。
生産台数は498台に限定され、エンツォはF50とラフェラーリをつなぐ「ミレニアム世代の基準車」として、フェラーリ史に確固たる地位を占めています。
紹介するシャシナンバー128797は、2003年10月製の初期生産車で、ロッソ・コルサのボディにネロ内装、ロッソのシートインサートという理想的な仕様です。フロリダで新車登録後、テキサスのコレクションに収められ、現在の走行距離はわずか746マイル。
再整備も行われており、コレクション用途にも実走にも適した極めて良好な状態を保っています。
この2003年式「フェラーリ・エンツォ」、落札予想価格は500万ドルから600万ドルとされていましたが、最終的には930万ドル(1USドル=155.1円換算で、約14億4244万円)で落札されました。
VAGUEからのオススメ
マセラティ、故郷モデナへ── 光と音が導く「グラントゥーリズモ」と「グランカブリオ」が告げる新しい鼓動【PR】