“水中メガネ”の愛称で知られた55年前の「Z600」を米国で発見 “世界のホンダ”の黎明期 希少な左ハンドル車の気になる落札価格とは
徹底したリフレッシュと2万9125ドルの落札価格
今回出品された個体は、1971年式の4速マニュアル仕様であり、カリフォルニア州オークランドで新車販売された経歴を持ちます。

現オーナーは2022年に、ホンダのディーラーで長期間展示されていたとされる本車両を購入しました。
エクステリアは、修復工程の中でグリーンに塗り替えられており、当時の雰囲気を保ちつつ現代的な塗装品質が確保されています。
再塗装前にはボディ右前方の腐食箇所が補修され、あわせてバンパーやライト周辺のクロームパーツも再メッキ加工が施されました。
また、ホイールは、シルバー塗装の10インチスチールホイールを装着し、ホンダのロゴが入ったセンターキャップが組み合わされています。
タイヤはファルケン製の「シンセラSN-807」が選択されており、サイズは145/80となっています。
そして、インテリアについても2025年にリフレッシュが実施され、シートやドアパネルがブラックのビニール素材で張り替えられました。
車内空間の静粛性を向上させるため、床面やホイールハウス、エンジン隔壁、各パネルの内部に防音材が追加されている点もこの個体の特徴です。
また装備面では、当時の純正オプションであるAM/FMラジオやヒーター、グローブボックス、前後シートベルトが備わっています。
計器類には、100マイル表示のスピードメーターと、6000回転からレッドゾーンが始まるタコメーターが配置されています。
そして、搭載される598ccの直列2気筒エンジンとケイヒン製キャブレターは、専門の業者によってオーバーホールが実施されました。
エンジンルーム内部も清掃と整備が行き届いており、機能面での信頼性が高められています。
走行距離は、5桁表示のオドメーターで6万6000マイル(約10万6000km)を指していますが、修復後の走行距離は約50マイルに留まるといいます。
車体全体の状態は、部分的な小傷などは見られるものの、骨格から機関系に至るまで一通りの手が加えられた良質なコンディションを維持しているといえます。
また、付属品としてメーカーの資料やワークショップマニュアル、スペアパーツも含まれており、維持管理の体制が整っている点も評価の対象となりました。
なお、今回のオークションでは36件の入札が行われ、最終的に2万9125ドル(約430万円)で落札されました。
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Z600は、限られた排気量と車体サイズの中で走行性能と意匠性を追求した、当時のホンダの姿勢を象徴するクルマです。
今回の個体は、長期間の展示車両という経歴を持ちながら、近年の徹底したリフレッシュ作業によってその機能が現代に蘇った点が大きな価値となりました。
特にエンジンやトランスミッションのオーバーホールに加え、防音対策などの細かな改良が施されている点は、実用性を重視する愛好家にとっても意義のある内容です。
落札価格は、こうした整備内容とオリジナリティのバランスが市場で客観的に評価された結果であるといえそうです。
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