スーパーカーブームの時に人気だった 半世紀前の「ボーラ」を発見 ジウジアーロデザインがカッコいい「青いマセラティ」とは
310馬力の4.7リッターV8エンジンを搭載した289台のうちの1台
2026年3月に米国フロリダ州アメリア島で開催されたブロードアロー主催のアメリアオークション2026において、1972年式マセラティ「ボーラ(Bora)」が出品され、落札されました。
どんなクルマなのでしょうか。
初代ボーラは、1971年に開催されたジュネーブ・モーターショーで世界初公開されました。スタイリングを手がけたのは、ジョルジェット・ジウジアーロが率いるイタルデザインです。
低くワイドに構えたプロポーションと鋭いボディライン、さらにブラッシュドステンレス製のルーフパネルが組み合わされ、1970年代の新しい時代を象徴するスーパーカーとして大きな注目を集めました。
日本では1970年代半ばに巻き起こったスーパーカーブームのなかで知名度を高めます。人気漫画のサーキットの狼に登場したこともあり、ボーラの名は多くのファンに広く知られるようになりました。

今回出品された車台番号「AM117/120」の個体は、1972年3月にモデナの工場で完成したものです。外装は淡いブルーのチェレステ・キアーロ、内装はブラックレザーという落ち着いた組み合わせで新車時に仕立てられました。
本車は、310馬力を発生する4.7リッターV型8気筒エンジンを搭載した仕様の1台で、このエンジンを備えたボーラは289台のみが生産されています。吸気系には4基のウェーバー製キャブレターが採用されている点も特徴です。
記録によると、この車両はZF製5速マニュアルトランスミッションとメートル表示のメーターを装備し、クロームバンパーを備えた欧州市場向け仕様としてイタリア国内へ納車されました。
2015年には、アメリカ・マイアミのコレクターがこの車両を取得し、本格的なレストアが行われました。ボディは新車時と同じチェレステ・キアーロに再塗装され、シートやドアパネルには新しいブラックレザーが張り替えられています。
また、ヘッドライナーやカーペットも交換され、外装の作業終了後にはエンジンとブレーキシステムのオーバーホールも実施されました。
レストア完了後の2022年8月には現在のオーナーがこの車両を取得しています。さらに2023年8月にはサンタクルーズの整備工場にて、燃料系・点火系・冷却系を中心とした整備が実施されました。キャブレターの整備や点火時期の調整、冷却系統の改修などが行われています。
その後もコンディション維持のための作業は続けられ、2025年6月には別の専門店で点火系の整備やキャブレターの同調調整などが追加で行われました。
希少なチェレステ・キアーロのボディカラーをまとったこのボーラは、ジョルジェット・ジウジアーロによる端正でエレガントなデザインを今も色濃く残しています。誕生以来多くの愛好家を魅了してきた典型的なイタリアンエキゾチックであり、コレクションに加える価値の高い1台といえるでしょう。
この1972年式のマセラティ・ボーラは、最終的に12万8000ドル(1ドル=157.8円換算で約2020万円)で落札されました。
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