現存するのは世界でたった40台!? 幻のR33型GT-Rを発見 30年前の特別な「ニスモ400R」の気になる落札価格とは
生産台数44台のうち8番目に作られた個体
2026年3月、米国アメリア島(フロリダ州)で開催されたアメリアオークション2026(主催:ブロードアロー)において、1996年式の日産 ニスモ400Rが出品され、大きな注目を集めた末に高額で落札されました。
このモデルは、日産 スカイラインGT-R(R33型)を愛するコレクターの間で特別な存在とされており、日本車ファンにとっては“聖域”ともいえる希少な1台です。
開発を手がけたニスモは1995年、ル・マン24時間レースへの参戦で培った耐久レースの技術を背景に、この特別なロードカーを世に送り出しました。ベースとなったのはR33型GT-R Vスペックですが、400Rは単なる高性能仕様ではなく、モータースポーツの技術を惜しみなく投入した特別なモデルとして誕生しています。
車名の「R」はレーシング、「400」は公称出力を示す数字に由来します。搭載されるエンジンは、名機として知られるRB26DETTを2.8リッターへ拡大し、大型N1ターボを組み合わせたRBX-GT2型です。開発は、グループA時代のGT-Rのエンジン開発を担ったREINIKが担当しました。
当時の日本では各メーカーが最高出力を280馬力に抑える“自主規制”が存在していましたが、400Rはその枠を実質的に超える性能を備えた特別モデルとして知られています。

車両はNISMOファクトリーで手作業によって仕立てられました。専用のレイズ製LM-GT1ホイール、強化クラッチ、新設計インタークーラー、専用サスペンションなどを装着し、車高も大幅にローダウンされています。さらにカーボン製ボンネットや大型リアスポイラー、ワイドフェンダー、空力を見直したバンパーなどを採用し、0-60mph加速は約4秒、最高速度は約300km/hと、当時のスーパーカーに匹敵する性能を誇りました。
本来は100台の生産が計画されていましたが、R33型GT-Rの生産終了に伴い完成したのはわずか44台のみです。現在確認されている現存車は約40台とされ、その多くがコレクターの手に渡りました。さらに北米では25年間輸入が認められなかったため、“幻のGT-R”とも呼ばれてきました。
このモデルの名を世界的に広めたのが、人気レースゲームのグランツーリスモシリーズです。1998年に発売された初代作品で最難関かつ最速級のマシンとして登場し、多くの若いファンの支持を集めました。ゲームを通じて存在を知った人も多く、やがてカルト的ともいえる人気を築いていきます。
今回出品された個体は1996年に製造された車両で、わずか44台のうち8番目に生産されたものです。ホワイトのボディにブラックのニスモ内装を組み合わせ、走行距離は約1万6000kmと比較的少ない状態を保っています。2023年に北米へ渡り、2024年にはアメリア・コンクールで賞を獲得するなど、その希少性と完成度を示してきました。
わずか44台しか生産されなかった400Rは、日本スポーツカー黄金期を象徴する頂点のモデルといえる存在です。実車を目にできる機会は非常に限られており、その存在感は見る者の記憶に強く残る1台といえるでしょう。
この1996年式の日産「ニスモ400R」は、最終的に91万8000ドル(1ドル=157.8円換算で約1億4487万円)で落札されました。
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