アナタの冷蔵庫は野菜派? 冷凍派? 生活スタイルから選べる東芝の「ベジータ」と「フリーザ」が解決する“多様な食生活”とは
冷蔵庫は“野菜派”か“冷凍派”か。東芝が示した新しい二択
冷蔵庫は長らく、「冷蔵室が主役」という設計が当たり前でした。家庭で最も頻繁に使うのが冷蔵室である以上、それは合理的な構造でもあります。
しかし今回、東芝ライフスタイルが発表した新シリーズ「FREEZA」は、その常識に一石を投じる製品です。最大の特徴は、冷凍室を使いやすい中央に配置し、しかも業界トップクラスとなる大容量の冷凍室を備えている点です。
実は東芝にはすでに「VEGETA(ベジータ)」というシリーズがあります。こちらは野菜室を中心に設計された冷蔵庫で、鮮度保持技術や野菜の使い切りを意識した設計が特徴です。
つまり東芝の冷蔵庫は、野菜室中心の「VEGETA」、冷凍室中心の「FREEZA」という2つの思想を持つことになりました。
これは単なるシリーズ展開ではありません。冷蔵庫を「機能」でなく「生活スタイル」で選ぶという提案です。
今回の発表会でも印象的だったのは、東芝が冷蔵庫の使い方を「サイクルタイプ」と「ストックタイプ」という2つの生活スタイルに分類して説明していたことでした。

物価高・共働き・住宅事情…冷蔵庫の役割は大きく変わった
この発想の背景には、現代の生活環境の変化があります。発表会では、商品企画担当者が2025年以降の社会環境について触れていました。キーワードは「物価高」と「人手不足」です。
食品価格の上昇は家計に直接影響します。その結果、多くの家庭ではまとめ買いをして食材を保存するという行動が増えています。さらに共働き世帯の増加もあり、買い物の頻度は減少する傾向にあります。
もうひとつ見逃せないのが住宅事情です。都市部では住宅価格の上昇が続き、住宅面積は20年前と比べて縮小しています。収納スペースが減る一方で、家庭内の保管ニーズはむしろ増えているのです。
その結果、冷蔵庫は単なる食品保存装置ではなく、「家庭のストック庫」のような役割を担うようになっています。
筆者は長年家電を取材していますが、ここ数年の冷蔵庫の進化を見ていると、その方向性は明らかです。容量は増え続け、冷凍室の比率も徐々に大きくなっています。つまり冷蔵庫は今、食生活の変化を最も敏感に映す家電のひとつなのです。

食生活は「サイクル型」と「ストック型」に分かれてきた
東芝が今回提示した「サイクルタイプ」と「ストックタイプ」という分類は、実に興味深いものです。
サイクルタイプとは、食材を頻繁に買い、鮮度を重視して使い切る生活スタイルです。買い物回数が多く、野菜を中心とした食生活を送る家庭がこのタイプに当てはまります。
一方、ストックタイプはまとめ買いを基本とし、冷凍保存した食材を計画的に使っていくスタイルです。共働き家庭に多く見られる生活パターンといえるでしょう。
実際、筆者の周囲でもこの2つのスタイルははっきり分かれています。例えば日々料理を楽しむ家庭では、野菜の鮮度を重視し、こまめに食材を買う傾向があります。一方で忙しい共働き家庭では、週末にまとめ買いをして冷凍保存し、平日は効率よく料理するという生活が一般的になっています。
つまり冷蔵庫は今、「鮮度を回転させる家電」と「食材をストックする家電」という2つの役割を持つようになっているのです。
東芝がVEGETAとFREEZAという2つのシリーズを用意したのは、この生活スタイルの分岐に対応するためと言えるでしょう。

冷凍の品質は“掛け算”。FREEZAが狙う新しい冷凍体験
FREEZAのもうひとつの特徴は、冷凍品質を「凍結」「保存」「解凍」という3つの工程で考えている点です。
食品冷凍技術の専門家によると、冷凍食品の品質は足し算ではなく掛け算で決まるといいます。つまりどれか1つの工程が劣ると、最終的な品質は大きく低下してしまうのです。
家庭用冷蔵庫ではこれまで「急速冷凍」が注目されてきました。しかし実際には保存時の温度変動や解凍方法が品質に大きく影響します。
FREEZAでは、扉の開閉による温度変化をセンサーで検知し、庫内温度を素早く安定させる仕組みを採用しています。これによって霜の発生や冷凍焼けを抑え、食品同士がくっつきにくくなるといいます。
こうした細かな改善は地味に見えるかもしれません。しかし実際の家庭での使い勝手に大きく影響する部分でもあります。
冷凍庫の奥から古い食品が出てくる、袋の中で食品が固まっている――そんな経験は多くの人が持っているはずです。FREEZAはこうした日常的なストレスを減らすことを狙った冷蔵庫ともいえるでしょう。

20分で解凍できる「ブースト解凍」がもたらす自由
発表会で実際に体験して興味深かったのが、新機能の「ブースト解凍」です。これはチルドルーム内に専用ファンとアルミプレートを配置し、効率的に熱を伝えることで解凍時間を短縮する機能です。
デモでは冷凍した肉を実際に解凍する実験が行われました。約20分後、ブースト解凍した肉は手でほぐせる状態になっていたのに対し、通常の冷蔵庫解凍ではまだ硬い状態でした。
この違いは想像以上に大きいものです。
家庭で冷凍食品を使う際、多くの人が経験するのが「解凍を忘れていた」という状況でしょう。冷蔵庫解凍は便利ですが、時間がかかるのが欠点です。
しかし20分で調理できる状態になるなら、夕食の準備は大きく変わります。帰宅してからでも食材を解凍し、そのまま料理に使えるからです。冷凍食品を使うハードルが一段下がる、と言ってもいいかもしれません。

冷蔵庫は“暮らしのOS”で選ぶ時代へ
家電を長く見ていると、ある段階で製品の役割が変わる瞬間があります。洗濯機が「洗う機械」から「家事を自動化する機械」に変わったように、冷蔵庫もまた単なる保存装置ではなくなりつつあります。
食生活、働き方、住宅事情。さまざまな要素が絡み合いながら、冷蔵庫は家庭の中心的なインフラへと進化しています。
その意味で、東芝が示した「サイクルタイプ」と「ストックタイプ」という考え方は象徴的です。冷蔵庫はスペックや容量だけで選ぶものではなく、「どんな暮らしをしたいのか」で選ぶものになってきているのです。
言い換えれば、冷蔵庫は家庭の食生活を支える“OS”のような存在になりつつあります。野菜を新鮮なうちに使い切る生活なのか。冷凍を活用して効率的に料理する生活なのか。
今回のFREEZAは、その問いをユーザーに投げかける製品と言えるでしょう。
page
- 1
- 2
VAGUEからのオススメ
マセラティ、故郷モデナへ── 光と音が導く「グラントゥーリズモ」と「グランカブリオ」が告げる新しい鼓動【PR】