「銀のエンツォなんてあったんだ!」わずか世界に9台のみ 特別色に彩られた「エンツォ」を発見 走行2万キロ未満 ビッカビカのフェラーリの気になる落札予想価格とは
「アルジェント・ニュルブルクリンク」の塗装が施された9台のうちの1台
2026年4月にモナコで開催されるRMサザビーズ主催のオークションに、2004年式フェラーリ「エンツォ」が出品される予定です。
どんなクルマなのでしょうか。
フェラーリのフラッグシップ・スポーツカーには、常に大きな期待が寄せられています。
とりわけ、「288GTO」、「F40」、「F50」といった伝説的モデルの後継として登場する新たなモデルには、さらなる性能と革新が求められてきました。
そうした背景のもと、誕生したのが「エンツォ」です。

2002年のパリモーターショーで発表されたこのハイパーカーは、当時急速に進化していたハイパフォーマンスカー市場の中心的存在となりました。ポルシェやメルセデス・ベンツ、そしてマクラーレンとともに、2000年代初頭のいわゆる“ハイパーカー黄金期”を象徴する一台として位置づけられています。
創業者エンツォ・フェラーリの名を冠したこのモデルは、399台限定で生産されました。
設計にはフェラーリのF1活動で培われた技術がふんだんに取り入れられています。ボディはカーボンファイバー製で、空力性能を重視した設計が特徴です。
F40やF50のような大型リアウイングを持たない一方で、フラットなアンダーボディと大型ディフューザーによって強力なダウンフォースを発生させ、高速域で安定した走行を可能にしました。最高速度は350km/hに達するとされています。
サスペンションもレーシングカーに由来する構造で、プッシュロッド式ダンパーとダブルウィッシュボーンを組み合わせています。ドライバーが調整できるダンパー設定など、まさにF1マシンの技術を市販車に落とし込んだ内容といえるでしょう。さらに、前後にはブレンボ製カーボンセラミックブレーキを装備し、バネ下重量の低減と優れた耐フェード性を実現しています。
心臓部には、新設計の6リッターV型12気筒エンジン「Tipo F140」を搭載しました。各バンクにデュアルオーバーヘッドカムシャフトを備え、1気筒あたり4バルブを採用するこの自然吸気エンジンは、当時としては世界最強クラスとなる660馬力を発生します。
0-100km/h加速はわずか3.65秒という圧倒的な性能を誇り、フェラーリの技術力を象徴する存在となりました。
エンツォのボディカラーは通常、ロッソ・コルサ(赤)、ジャッロ・モデナ(黄)、ネロ(黒)の3色が基本でしたが、特別注文によって他のカラーも選択できました。
今回紹介するシャシ番号37754の個体は、その中でも非常に希少な一台です。
ボディはわずか9台しか存在しないアルジェント・ニュルブルクリンク(シルバー)で仕上げられており、さらにロッソレザーのインテリアを組み合わせた仕様は5台のみとされています。しかもこのカラーコンビネーションで英国に納車された唯一のエンツォとして知られています。
この車両は2004年6月にマラネロ工場で完成し、英国のディーラーを通じて初代オーナーに納車されました。その後も正規ディーラーで定期的な整備が行われ、クラッチやフライホイールの交換など適切なメンテナンスが施されています。
2009年には自動車雑誌の表紙を飾るなど、注目を集めた経歴も持っています。
2019年には英国のフェラーリ専門ディーラーを通じて新たなオーナーの手に渡り、その後フェラーリ・クラシケ認証も取得しました。さらに近年もパリの正規ディーラーで整備が行われており、最新のタイヤ交換なども実施されています。走行距離は約1万9000kmと比較的少なく、良好なコンディションを維持しています。
専用ラゲッジセットや工具、マニュアル類なども揃っており、長年にわたり丁寧に保管されてきたことがうかがえる一台です。
F1由来の先進技術、ピニンファリーナが手がけた空力ボディ、そして圧倒的なV12パフォーマンスを兼ね備えたエンツォは、フェラーリの現代ハイパーカーを象徴する存在といえます。
この2004年式フェラーリ「エンツォ・フェラーリ」、落札予想価格は490万ユーロから530万ユーロ(1ユーロ=182.6円換算で、日本円で約8億9460万円から9億6763万円)とされています。
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