トータル1063馬力!6分29秒09は「市販車ニュル最速」のハイパーカーをオークションで発見 F1技術を惜しみなく投入した“緑のモンスター”「AMGワン」とは
走行距離は185kmの“ほぼ新車”
2026年5月に開催されるRMサザビーズ主催のシールドオークションにて、2024年式メルセデスAMG「ONE(ワン)」が出品されます。
メルセデスAMGワンは、近年のメルセデス車の中でも群を抜いて注目を集めたモデルであり、アストンマーティン「ヴァルキリー」フェラーリ「F80」、マクラーレン「W1」と並ぶ現代ハイパーカーの頂点に位置する存在です。
メルセデスは、2014年から2021年まで8連覇を達成したF1コンストラクターズタイトルの成功を記念し、実際のF1パワーユニットを公道用車両へ移植するという前代未聞の挑戦に乗り出しました。
しかし、それは想像を絶する困難なプロジェクトでした。ベースとなったのは、2016年型F1マシン「W07」に搭載された1.6リッターV型6気筒ハイブリッドターボエンジンです。
本来であれば専属メカニックによる継続的な管理を必要とするレーシングエンジンを、市販車としてボタンひとつで始動できるレベルにまで適応させなければなりませんでした。
さらに排出ガス規制に適合するアイドリング制御、世界的パンデミック、部品供給不足などが重なり、2017年にコンセプトが公開されながら、市販モデルの完成は2022年までずれ込みました。奇しくもその年はAMG創立55周年という節目でもありました。

AMGワンのメカニズムは、まさにF1そのものです。
搭載されるのは5基のモーターを組み合わせたハイブリッドシステムで、中心となるのはルイス・ハミルトン選手とニコ・ロズベルグ選手を王座へ導いたF1由来のV6ターボエンジン。さらにMGU-HとMGU-KというF1直系のエネルギー回生システムを備え、システム総出力は1063馬力に達します。
駆動方式は四輪駆動で、Xtrac製7速トランスミッションを介して路面へパワーを伝達。0-100km/h加速は2.9秒、最高速度は352km/hという圧倒的な性能を誇ります。
空力性能も徹底的に追求されており、F1マシンさながらのDRS機構付きリアウイングや、フロントフェンダー上部に展開するアクティブフラップを装備。最高攻撃モードである「Strat 2」では、DTMドライバーのマロ・エンゲルがニュルブルクリンク北コースで6分29秒090という驚異的なラップタイムを記録しました。
生産台数はわずか275台。その多くがメルセデスF1マシンを思わせるシルバーやグレー、ブラック系カラーで仕上げられましたが、本車両は特別注文色「ライン・グリーン」を採用した極めて珍しい仕様です。
この“ゾンダーラッキールング”は新車時に2万7500ユーロのオプション価格を誇り、マットブラックのマグネシウムホイールやグロスブラックのブレーキキャリパーと組み合わされることで、独特の存在感を放っています。インテリアにはマグマグレーのナッパレザーとデジタルグリーンのステッチが採用され、エクステリアとの統一感を高めています。
走行距離はわずか185kmで、そのすべてが工場テストによるものとされています。
ボディにはペイントプロテクションフィルムも施工され、新車同然の状態を維持。さらに2026年2月には3万7000ユーロ超をかけた「Service A」をメルセデスAMGで実施済みで、その結果としてメーカー保証も2028年2月まで延長されています。
この2024年式メルセデスAMG「ONE(ワン)」、落札価格は265万ユーロから300万ユーロ(1ユーロ=184.8円換算で、日本円で約4億9000万円から5億5440万円)と予想されています。
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