懐かしの大人気TVドラマ『刑事スタスキー&ハッチ』の映画版劇中車フォード「グラン・トリノ」が日本にある理由とは
懐かしい刑事ドラマの劇中車フォード「グラン・トリノ」
1975年から1979年のあいだアメリカで4シーズンにわたって描かれた大人気の刑事ドラマ『刑事スタスキー&ハッチ』を覚えているだろうか。日本では1977年からTBS系で火曜日夜10時の枠で放送され、その演出は元祖バディ系の刑事ドラマとして後に日本で描かれた刑事物に大きな影響を与えた。一例をあげるとするなら『あぶない刑事』とか。
全米において刑事ドラマのバイク物なら『ジョン&パンチ』、クルマ物なら『刑事スタスキー&ハッチ』といわれるほどの名作といっていい。内容は確か、ジャンクフード好きでラフなスタイルのスタスキーと健康食品好きでインテリジェンスを感じさせるハッチの絶妙な掛け合いがとても面白かったことを思い出す。

●刑事ドラマにはクルマは必須
アメリカ刑事ドラマにおいて欠かせないのが、主人公が乗るクルマだ。カーチェイスを含めて重要な役割を担っていて、たいていは主人公がとてつもないカーマニアであり、特別なチューニングを施した愛車に乗って事件を解決に導くというストーリーが王道で、我々の目をくぎ付けにした。
とくにこの時代のあらゆる作品には、主人公が乗るクルマとしてスペシャルなマシンが数多く登場しており、そのクルマの存在もストーリーを成立させるための要になっていた。
このドラマ『刑事スタスキー&ハッチ』で使われていた特別仕様のマシンは、1972年にフォードが作ったマッスルカーの代名詞にもなったフォード「グラン・トリノ」だ。
このクルマは1970年代まで中型車の代表だった「フェアレーン」の後継車で、この時代のフォードの中型車はすべて「トリノ」を名乗っていた。そのトリノのスポーツグレードが、2ドアクーペのグラン・トリノだった。
映画に登場したモデルは、1972年式のグラン・トリノで、ド派手に目立つ真っ赤なボディカラーにシャープな印象とレーシーな雰囲気を醸し出すホワイトラインが印象的な1台だった。
アメリカンマッスルカーとして前後異形タイヤを履かせてリアタイヤを大きくするホットロッド・スタイルも時代を象徴する姿としてとてもカッコ良かった。
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