2024年で設立110周年になるマセラティ(Maserati)とはどんなメーカー?
マセラティの歴史は、あくなき速さへの探求から始まりました。その変わらぬ信念と共に成長してきた自動車メーカーといっていいでしょう。
イタリア北部にある都市ボローニャで、アルフィエーリ・マセラティ率いるマセラティ兄弟によって「ソシエータ・アノニーマ・オフィチーネ・アルフィエーリ・マセラティ」というワークショップが誕生したのは1914年の12月。いまから110年も前のことでした。
つまりマセラティにとって今年2024年は設立110周年という記念の年なのです。
ボローニャに誕生したワークショップが 後に自らの手によってレーシングカーを製作
当初は市販車を高性能化するためのチューニングを生業としていたマセラティですが、後に購入したシャシーをベースに自らの設計による、直列8気筒1.5リッターエンジンを積んだレーシングマシンの製作を開始。1926年にはマセラティの名が付いた第1号車となる「ティーポ26」を完成させました。“26”という数字はデビュー年の1926年にちなんだものだそうです。
そんなフォーミュラマシンのティーポ26は、デビューレースにおいて見事にクラス優勝を飾ります。その優勝がマセラティの名を世界中に広めることとなり、それをきっかけとして世界中のジェントルマンドライバーから注文が殺到。マセラティは夜を徹してマシンを製作し、世界各地のレースシーンへ届けました。
レースの世界におけるマセラティの栄光の歴史が幕を開けたと言っていいでしょう。
初めてのロードカー「A6 1500」をヒットさせ順調にビジネスを拡大
その後2回の大戦とその後の混乱を経て、1947年のジュネーブショーでデビューさせた初めてのグラントゥーリズモ「A6 1500」によるロードカービジネスも売り上げを伸ばします。
1950年代になると世界の富裕顧客向けたレースカーの販売も堅調に回復するとともに、ワークスチームとしてのレース活動でも大活躍します。1957年にはF1でチャンピオンを獲得しますが、同年に起こったアルゼンチン政変に起因する資金のショートから、事業を大幅に縮小せざるを得ないピンチに。
ワークスチームも解散し、モータースポーツ事業からはほぼ撤退ということになったのです。
走りへの情熱を忘れないマセラティは 高性能な市販車を世に送り出し大ヒットさせた
そんなマセラティを救ったのが、北米マーケットからの要求に応えるべくプロジェクトを進めていた大型グランドツーリング(GT)カーの量産プランでした。ロードカーとして1957年にデビューしたクーペ「3500GT」とオープンモデルの「3500GTヴィニヤーレ・スパイダー」は大成功。
レースで培ったハイパフォーマンスをベースに、日常使用にも耐えうる信頼性、さらには快適性とラグジュアリー性も追求したグランドツーリングカーとして富裕層から絶大な支持を受けたのです。その成功は、今なおマセラティの市販車にも受け継がれる礎が確立された瞬間と言っていいでしょう。
その後、初のイタリア製大型サルーンとしてレース由来のエンジンを搭載した高性能4ドアラグジュアリーサルーンの「クアトロポルテ」を投入すると、こちらも大ヒット。フルモデルチェンジを重ね、今なおマセラティの大きな柱となっていることはご存じのことでしょう。
快適性とラグジュアリー そして高いパフォーマンスがマセラティが持つ情熱の礎だ
設立から110周年を迎えるマセラティというブランドは2つの柱に支えられています。ひとつは会社の起源である、いくつもの栄光を手にしてきたモータースポーツへの情熱。もうひとつはイタリアのクラフツマンシップに満ちあふれるエキサイティングかつラグジュアリーなグランドツーリングカーの探求です。
その情熱と探求が、これまでも、今も、そしてこれからも変わらないマセラティの原動力となっているのです。
創業から110年がたったマセラティだが 走りへの情熱はこの先も冷めることはない
そんなマセラティの現在のラインナップは、フルサイズラグジュアリーサルーンのクアトロポルテや、クアトロポルテの世界観はそのままに、ショートホイールベース化したスポーツサルーン「ギブリ」、さらには2ドアのグランドツアラー「グラントゥーリズモ」、そして優雅な4シーターオープンの「グランカブリオ」もラインナップ。
日常からグランドツーリングまで、卓越したドライビングパフォーマンスでスポーティな心を持ちつつ、優雅な大人の移動をこなすラグジュアリーなモデルが中心となっています。
また、速さへの探求心から始まったマセラティらしさの象徴と言えるモデルも展開。それがスーパースポーツの「MC20」です。
車名に使われている“MC”はマセラティコルセの略で、長い歴史を持つ本社直轄のレース部門にちなんでネーミングされたものです。その前身にあたり、公道走行可能ながらレーシングカーさながらのメカニズムと性能を持つ「MC12」も、まさにマセラティのこだわりであるモータースポーツへの情熱を具現化した市販車であり、速さを追求したモデルと言っていいでしょう。
マセラティのSUV第2弾として登場した「グレカーレ」とは
いっぽうでマセラティは、しっかりと時代の要求に応えることも忘れていません。具体的にいえば、SUVのラインナップを取りそろえていることです。マセラティ初のSUVとなった「レヴァンテ」は、マセラティが追い求めるグランドツーリングをSUVというパッケージで実現したといっても過言ではないでしょう。
ラグジュアリーで、快適で、走りはスポーティかつエキサイティングであふれんばかりのドライビングプレジャーをドライバーに与えてくれる。そんなマセラティらしいSUVは多くの人を虜(とりこ)にしました。
そんな「レヴァンテ」に続く「グレカーレ」は、マセラティらしいエキサイティングでラグジュアリーなSUVの世界感をより多くの人に堪能してもらうという使命を持って世に送り出されました。
車体はレヴァンテに比べてひとまわり小さく、価格もレヴァンテに比べるとずっと親しみやすいレンジに設定されました。その戦略は見事にあたり、これまでマセラティとは縁がなかった多くの人を、マセラティの世界へ導くことに成功したのです。
日本でも扱いやすいサイズに加えて ハイブリッドシステムのエンジンもラインナップする
グレカーレの魅力は、日本でも扱いやすい車体サイズに抑えつつ、クラス最大級を誇るキャビンを持っている点にもあります。広くて快適なキャビンと広くて実用的な荷室、さらにSUVとは思えないエネルギッシュな走りが楽しめる。それらを同時に実現しながら、従来のマセラティと比べてグッと親しみやすい価格帯。そこに気が付き、共感した人たちがマセラティの世界へどんどん足を踏み入れているのです。
新規オーダーが可能なグレカーレの現在のラインナップは、マイルドハイブリッドで330㎰を発揮する直列4気筒2.0リッターターボエンジンを搭載した「モデナ」と、530㎰を発揮するV型6気筒3.0リッターターボエンジン(MC20と同じエンジン)を搭載した「トロフェオ」の2タイプ。
駆動方式はいずれもAWDで、モデナは停止状態から時速100kmに到達するまでの加速が5.3秒で最高速度は時速240km。トロフェオは3.8秒で時速285kmです。
モデナは興奮を味わうのに十分な性能、トロフェオに至ってはクラスを超越したスーパーカーなみの性能といっていいでしょう。なお、価格(消費税込み)はモデナが1138万円、トロフェオは1713万円です。
またグランドツーリングという視点では、レザーを張ってウッドをコーディネートしたインテリアが「モデナ」に標準採用され、その息をのむようなラグジュアリーな仕立てに共感できるに違いありません。
このクラスのSUVといえば、ドイツのプレミアムブランドやドイツのスポーツカーメーカーのSUVがライバルと考える人もいることでしょう。いずれも走行性能はハイレベルですが、ドライバーを刺激し高揚させる味付けではグレカーレの右に出る者はいないと筆者(工藤貴宏)は思っています。
また、グレカーレは単にラグジュアリーというだけでなく、イタリアだからこその“色気”が漂うインテリアも注目したいところです。官能性こそが、グレカーレと他ブランドのSUVを分けている最大の違いにほかなりません。
人生をより楽しみたい人たちにとって「グレカーレ」は最高の相棒となる魅力を持っている
高まるドライビングプレジャーとイタリアのクラフツマンシップによるラグジュアリーブランドだからこそ成し得た上質な雰囲気。その両方を兼ね備えたグレカーレは、クルマとの生活で人生を楽しみたい人と最高のマッチングとなることでしょう。ラグジュアリーなSUVを体験するにふさわしい1台なのです。
グレカーレは日本において年間を通じて優秀なクルマを選出する「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の2023-2024年の選考において「10ベストカー」に選ばれています。そんな客観的な高い評価も、グレカーレに注ぎ込まれた情熱と完成度の高さを表していると言っていいでしょう。
昨今、プレミアムブランドをはじめ国産の上級SUVの価格もどんどん上昇しています。そんな国産上級SUVを検討している人や、それらから乗り換える“次”を探している人も、ちょっとだけ勇気を持って、ちょっと背伸びをしてマセラティの世界へ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?
先述したように、マセラティは今年で設立110周年を迎えました。長い歴史を経て、モータースポーツへの情熱が生み出すエキサイティングな走りと究極のグランドツーリング性能を磨き上げてきたのです。
グレカーレがもたらす至極のラグジュアリーSUV体験は、きっとあなたをマセラティの虜にすることでしょう。
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