VAGUE(ヴァーグ)

シトロエン新型「C5X」にフランスで乗って納得「妖艶なルックスと心地いい乗り心地」はライバル不在!

乗り心地がいいというレベルを超えた気持ちのいい乗り心地

 今回、現地で試乗できたC5Xは、日本にも導入されるPHEV(プラグインハイブリッドモデル)だった。

面妖ともいえる存在感あるルックスと、類稀なる夢見心地の乗り心地を兼備したシトロエンの新フラッグシップ「C5X」
面妖ともいえる存在感あるルックスと、類稀なる夢見心地の乗り心地を兼備したシトロエンの新フラッグシップ「C5X」

 1.6リッターの直4ガソリンターボエンジンと8速ATにモーターを組み合わせて前輪を駆動する、旧PSA系PHEVと共通のシステムを搭載している。エンジンの最高出力は180ps/6000rpm、最大トルクは300Nm/3000rpmで、モーターはそれぞれ110ps/2500rpm、320Nm/500〜2500rpm、システム全体では225psと360Nmを発揮する。

 このPHEVの出来栄えがいいのは、もはや周知の事実といってもいいだろう。昨今の多くのハイブリッドカーと同じように基本はモーターのみで走行し、強い加速力が必要になったときなど負荷がかかると、エンジンが始動してハイブリッド走行に入る。

 フランス車の常で、快感を与えてくれるわけではないけれど、街中での微速前進から高速道路でのハイスピードクルージングまで、全域にわたって力強さとスムーズさを感じられるし、あらゆる場面において走りっぷりにゆとりがある。また、モーターのみで50km以上の距離を走ることができる上、135km/hまで速度を上げることができるから、人によっては1日の移動をEV走行だけでまかなうこともできるだろう。もちろん遠出をするときに、バッテリー残量を気にしなくて済むのはいうまでもない。

 けれど、C5Xでもっとも感動的なのはそこじゃない。スタイリングと並ぶもうひとつのハイライト、それは抜群の乗り心地だ。このクルマはすべての要素が、乗員の快適性を高めることにフォーカスしてるといっても過言じゃない。

 まずはシートだ。昨今のシトロエンではお馴染みの“アドバンスト・コンフォート・シート”が、当然ながらC5Xにも採用されている。座った瞬間にむっちりした低反発系の弾力が巧みに沈み込む感触があり、シート全体で体を包み込むようにして支えてくれる。かといって、フカフカなわけでもない、まさに絶妙な感触。昔の愛車だったCXやBXのシートに初めて腰掛けたときの驚きと歓びがよみがってきたのだが、その時代から延々研究が進められてきての最新のシートは、美化されてるかもしれない想い出にも負けないくらい心地いい。

 そしてサスペンション。これもすでに、最新の「C5エアクロスSUV」や「C4」に実装されている“プレグレッシブ・ハイドローリック・クッション”が当然のごとく採用されている。伝説的な“ハイドロニューマティック”の基本思想を大幅に進化させた、この最新の“液体”系サスペンションは、ダンパーのなかにセカンダリーダンパーを組み込むことで大きなうねりも微細な振動も巧みに吸収し、見事なフラットライドを感じさせてくれる。コーナーリング時のロールは大きめながら、車体の傾きはゆっくりもっちりでわかりやすく、おかげで中立付近に戻ったときの揺り返しも誘発しにくい。最新型の“魔法のじゅうたん”である。

 さらに、C5XのPHEVには、ダメ押しのように“アドバンスト・コンフォート・アクティブ・サスペンション”という電子制御ダンパーが備わっている。これは、路面状況に応じて4輪のダンパーそれぞれを独立してリアルタイムに制御し続け、減衰力を可変させることでプレグレッシブ・ハイドローリック・クッションの効き目を大幅に高める仕組みだ。

 大きなホイールストロークを確保できる高い地上高、205/55という車格の割に細くてゴムの部分が厚いタイヤなども大きく貢献してるのだろうが、C5Xの乗り心地は、控えめにいっても最高だ。なんというやわらかさ。なんというなめらかさ。路面の凹凸という凹凸をことごとく巧みに丸め込み、衝撃として乗員に伝えるのではなく、優しく快い微かな刺激へと変換していく。ふわっとした感触があるのに、ふにゃふにゃなわけではない。

 いや、これはもう「乗り心地がいい」というレベルをあっさり超えて、「乗り心地が気持ちいい」の領域だ。普通に走ってるだけで気持ちがとろけそうになる。1000km走ってこいといわれたらよろんで出かけたくなるほど。乗り心地の快適さはシトロエンの生命線なわけだが、C5Xの乗り心地のすばらしさは、目下のところ間違いなく“歴代シトロエンのトップ・オブ・トップ”だと断言していい。

* * *

 スタイリングも乗り心地もちょっとばかり超越しちゃってるところがあるから、刺さる人には深く刺さる、刺さらない人にはかすりもしない。C5Xはそういった類のクルマなのかもしれない。けれど、もし刺さっちゃったら簡単には抜けてくれない。そういう存在でもある。

 通り一遍のクルマでは満足できない人、クルマの世界に存在するワケのわからないヒエラルキーに飽き飽きしてる人、他人とかぶるのがイヤな人、コスパよく最上級の乗り心地を求めたい人、そしていうまでもなく熱心な“シトロエニスト”……。C5Xにマッチしそうなさまざまなタイプが思い浮かぶ。ぜひともこのモデルが日本のショールームに配備されたら、実際にその目で眺めて欲しいし、ステアリングを握って試乗してみて欲しい。きっと新しい扉が開くことになるだろうから。

Gallery 【画像】シトロエンの新しい個性はフラッグシップモデル「C5X」を写真で見る(31枚)

page

  • 1
  • 2

VAGUEからのオススメ

ブローバが腕時計の常識を曲げてから10年…「CURV(カーブ)」10周年モデルが証明した小径化による究極のフィット感とクリエイション【PR】

ブローバが腕時計の常識を曲げてから10年…「CURV(カーブ)」10周年モデルが証明した小径化による究極のフィット感とクリエイション【PR】

RECOMMEND