シトロエン新型「C5X」にフランスで乗って納得「妖艶なルックスと心地いい乗り心地」はライバル不在!
周囲に迎合しない妖艶かつ未知のスタイリング
間もなく日本に上陸予定のシトロエンの新しいフラッグシップ「C5X」を、ひと足早くフランスで試乗、その魅力……というか魔力を存分に味わってきた。過去に3台のシトロエンを所有し、それぞれ気に入っていた身からすると、C5Xはまさしく“シトロエンのなかのシトロエン”といえるニューモデルだ。

2021年4月に本国で発表されたときのインパクトは、忘れることができない。世界のどこを探しても、似たクルマを見つけられない面妖ともいえる存在感は、数寄者の気持ちにストンと刺さったはずだ。
そしてもうひとつ、忘れることができないのは、その類稀なる乗り味である。夢見心地とはまさにこのこと。この点だけをとってみても、C5Xを選ぶ価値は十分にあると思わせられた。
シトロエンは、創業のころからずっと、独自性の強いクルマづくりを続けてきてるブランドだ。それは駆動方式だったり車体構造だったりサスペンションだったりと、時代によって注目すべき部分は移り変わるけれど、一貫してるのは、他のブランドとは明らかに異なった存在感を放つスタイリングだ。現在はステランティスの一員として姉妹ブランドと主要コンポーネンツの多くを共有しているが、周囲に迎合しないスタイリングに対する考え方だけは変わりない。
C5Xは、シトロエンの他の現行ラインナップたちと比べても、大きく振り切ってるように感じられる。5ドアのハッチバック? ステーションワゴン? クーペSUV? それらのいずれかのようであり、どれでもないようにも、それらのすべてが同居してるようにも思える不思議なプロポーション。はっきりとひとつのカテゴリーに当てはめるのは難しい。あえてカテゴライズするならば“シトロエン”。それ以外はないんじゃないだろうか。カテゴライズすることの無意味さを教えられた気さえする。
そうした一種の違和感のようなものをぼんやりと覚えながら、未知のフォルムに理由もなく惹きつけられてしまう。これはかつての「DS」や「SM」、「CX」、「BX」、「XM」……といった、ダブルシェブロンの名車たちを初めて見たときと同じ心の動き方だ。シトロエンの魔力、である。
C5Xの造形は、2016年のパリ・モーターショーで発表された「CXperience Concept」にインスパイアされたといわれているけれど、僕はそこからさかのぼること4年前の2012年に発表されたシトロエンDSラインのコンセプトカー「Numero 9」をどうしても連想してしまう。顔つきなどのディテールは4年分古いけれど、よりプロダクションモデルに近いNumero 9のシルエットは、さながら地上高の低いC5Xといった風情。分類には悩むけどなぜか惹かれるフォルムの源流は、おそらくここだろうと思うのだ。
そして、この2台のコンセプトカーがそうであったように、C5Xも前席、後席ともにゆとりのある居住空間が確保されている。後席など、脚を組めてしまうほどだ。ラゲッジスペースも通常で545リッター、後席の背もたれを倒せば1640リッターと十分な容量。リアウインドーが傾斜してるから荷室は狭いだろうという憶測を、驚くほど深い奥行きで払拭してる。ファミリーカーとしてもグランドツアラーとしても、使い勝手はよさそうだ。デザイン優先の“なんちゃって”仕様ではない、ということである。
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