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10cmの水が命を奪うってほんと!? 釣りメーカーに聞く命を守る「ライフジャケット」の選び方

ライジャケを着ていれば生存率が2倍以上に上がる

 海上保安庁の調べによると、毎年約200人の釣り人が海中に転落し、その半数が不幸なことに命を落としたり行方不明になったりしているのだとか。とはいえ、「泳ぎが得意だから」とか、「浅い湖でしか釣りをしない」なんて理由で、ライジャケは不要と思っていないでしょうか。

「たとえ水深が10cmと浅くても、人の命を奪ってしまう」と話すのは、フィッシングブランド・ダイワの担当者。どんな浅瀬でも、呼吸ができなければ、極めて危険な状況になってしまうことは想像にかたくありません。

 そして、ライフジャケットを使用していれば、海中転落時の生存率が2倍以上に上がります(※国土交通省調べ)。そう、釣りにこそライフジャケットが必要なのです。

ジャケットの裾などで浮力体の展開を遮らないポーチタイプは陸っぱりにもオススメ
ジャケットの裾などで浮力体の展開を遮らないポーチタイプは陸っぱりにもオススメ

●陸っぱりにオススメなポーチタイプ

 釣用ライフジャケットには様々なタイプがありますが、最近の主流は自動膨脹タイプ。これは、落水すると水分にスイッチが反応して炭酸ガスのボンベが作動し、「気室」と呼ばれる風船のような浮力体を膨らませるという仕組みです。(万一、自動で膨らまない場合でも付属の紐を引いて手動で作動できる)

 自動膨脹タイプはさらに、大きく分けて「肩掛けタイプ」「ウエストタイプ」があり、最近ではウエストバッグに似たポーチタイプも登場していますが、このこのポーチタイプは陸っぱりで釣りを楽しむ人の購入が進んでいるのだそうです。

「釣り初心者の方を含め、落水時に前面と枕部分が膨らむ肩掛けタイプが安全面から最もお勧めしたいタイプですが、ポーチタイプは固形式のライフジャケットや肩掛けタイプと違い背中にパーツがないので、暑い時期でも蒸れず、新たな選択肢として購入される方が増えています」(ダイワ担当者)

「ポーチタイプ」は落水時には体の正面にあるロープを手繰り、膨らんだ気室を自分で首に装着する二次着用の必要があります。気室がダイレクトに首元で膨らむ「肩掛けタイプ」が安全性という点では有利ですが「以前は着用する習慣がなかった陸っぱりでも、バッグなどと干渉することなく着用できるライフジャケットを身に着けて命を守ってほしい」(ダイワ担当者)という思いもありポーチタイプが開発されたのだそうです。

●国土交通省型式承認「桜マーク」を選ぶ理由

ダイワの「DF-2321」は、落水時には気室が身体正面に膨脹する“レールシステム”を搭載。安全性と気軽さを高次元で両立したポーチタイプ。国土交通省が定める平均的な大人の頭の重量を考慮した7.5kgを24時間水上に持ち上げるだけの浮力を備えている、「桜マークTYPE A」の品を選びたい。写真はダイワの「DF-2321」(2万5740円、消費税込)
ダイワの「DF-2321」は、落水時には気室が身体正面に膨脹する“レールシステム”を搭載。安全性と気軽さを高次元で両立したポーチタイプ。国土交通省が定める平均的な大人の頭の重量を考慮した7.5kgを24時間水上に持ち上げるだけの浮力を備えている、「桜マークTYPE A」の品を選びたい。写真はダイワの「DF-2321」(2万5740円、消費税込)

 ポーチタイプにせよ、肩掛けタイプにせよ、ライジャケを選ぶ際に注意してほしいのは、「国土交通省型式承認品」であること。

2018年に法律が改正され、釣り船などに乗船する際には「国土交通省型式承認品」のライフジャケットの装備が義務付けられました。

「国土交通省型式承認品」の証は「桜マーク」と呼ばれ、A・D・F・Gと4つのタイプがありますが、すべての小型船舶の乗船が可能となる「タイプA」が断然オススメです。メインフィールドが淡水の陸っぱりであっても、ボートフィッシングをしたくなったらそのまま使えるというわけです。

 桜マークを選ぶ理由は、前述の通りボート乗船(ボートフィッシング)では必須なことはもちろん、その品質の確かさにあります。

「桜マークがついているアイテムは全品検査をパスした証。抜き取り調査ではなく、安全性に問題がないかを確認されたものだけが実際に店頭に並びます」とダイワの担当者が説明するように、信頼性がとにかく高い。

 最終的にタイプを決めるには自分のTPOを考え、大切な命を守るため、自分に合う確かな性能を持つライジャケを選びたいものです。

Gallery【画像】釣りの必需品ライフジャケットを見る(7枚)

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