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厳罰化から2年 「あおり運転」はいま、どうなっている? 突然あおられた場合どうすればいい?

2022年6月の施行から2年 あおり運転は少なくなった!?

 2020年6月、「道路交通法の一部を改正する法律」が衆議院本会議で可決成立し、このうち“あおり運転”に対し厳しい罰則を与える「妨害運転罪」が同年6月30日に施行されました。

バックミラーに近づいてくる後続車。あおり運転は少なくなったのだろうか
バックミラーに近づいてくる後続車。あおり運転は少なくなったのだろうか

 その改正では、あおり運転の対象として、「車間距離不保持」「最低速度違反(高速自動車国道)」「急ブレーキ禁止違反」「進路変更禁止違反」「警音器使用制限違反」などの10類型を挙げています。

 そしてこれらの違反により「交通の危険のおそれ」を生じさせた場合は、ドライバーに「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」「違反点数25点」「免許取消し(欠格期間2年)」という罰則が科せられます。

 さらに高速道路で他のクルマを停止させるなど「著しい交通の危険」を生じさせた場合は「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」「違反点数35点」「免許取消し(欠格期間3年)」と、科される罰則はいっそう厳しくなります。

 では、この法改正から2年余り経過したいま、あおり運転の現状はどうなっているのでしょうか。

 まず2022年6月に公開された「令和4年版交通安全白書」から、交通違反の摘発状況を見てみましょう。

 同白書の「道路交通秩序の維持」の項では、あおり運転について「2017年の死傷事故につながった東名高速道路での事件」が「妨害運転罪」の創設につながったことを踏まえつつ、妨害運転等に対する厳正な指導取締りを徹底したとしています。

 その取締りの具体例として考えられる高速道路における車間距離不保持の摘発件数は、2017年の6139件が、2018年には1万1793件、2019年には1万3787件と急増しています。

 しかし摘発件数は、法改正による厳罰化がおこなわれた2020年には1万1523件、さらに直近の2021年は7422件へと急減しています。

 このデータから、2018年から2019年は警察当局の積極的な取締りにより摘発件数が増加、しかし法改正による厳罰化が周知された2020〜2021年は、あおり運転そのものが大きく減り、それが摘発件数の減少につながったという様子が見てとれます。

 つまり道路交通法改正によるあおり運転の厳罰化は、道路交通における危険を排除する上で一定の効果があったと考えられるのです。

Next37%のドライバーは「厳罰化してもあおり運転が減少すると思わない」
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