フェラーリ社からは購入困難「エンツォフェラーリ」の新品エンジンがオークションに出品された秘密とは?
木箱に入ったまま正規代理店に送られた新品エンジン
来たる2022年12月10日、アメリカ・マイアミでRM サザビーズがオークションを開催します。
通常、この手のオークションには、クラシックカーが多数出品されます。今回の出品リストに目をとおしてみると、マイアミという地域性からか1980年代のネオクラシックが多め。きっと、テレビドラマや映画で人気だった『マイアミ・バイス』がもたらした恩恵なのでしょう。

そんな出品リストの中に、筆者の目が点になったモノがありました。なんと「エンツォフェラーリ」のエンジン、しかも“新品”状態のものが出品されているのです。フェラーリから木箱に収められて発送された、そのままの状態をキープしています。出品者は明らかにされていませんが、木箱はデンマークにあるフォーミュラ・オートモービルというフェラーリの正規代理店に輸出されたものだということがわかります。
2002年にエンツォフェラーリに搭載された6リッターV型12気筒自然吸気エンジン“T140B”は、最高出力651psと当時の市販車として最強のスペックを誇りました。なお“T140”シリーズと呼ばれるエンジンは、“T140C”が「599」に、“F140EB”は排気量を6.3リッターに拡大して「FF」に、そして“F140GA”は排気量を6.5リッターに拡大して「812スーパーファスト」に搭載されました。ちなみに、2013年登場の「ラ・フェラーリ」のハイブリッドシステムに用いられるV12エンジンもF140シリーズの進化版です。
ゼネラルモーターズやフォードは、カスタマイズ需要に応えるべくV8エンジンのみの販売をおこなっていますが、フェラーリからスペアエンジンを購入するのは至難のワザ。おそらくデンマークのディーラーで販売したエンツォフェラーリが、エンジンを交換しなければならないような深刻なダメージを負ってしまったのでしょう。
にもかかわらず、新品のエンジンが出品されているということは……。ダメージを負ったであろうエンツォフェラーリはどうなってしまったのでしょうか? ミステリアスです。
●予想落札価格は20万~30万ドル
オークションサイトでの説明文に目をとおしてみても、現状などを説明するものは箇条書き4点しかありません。そこには、エンジンとしての機能を保っているのか不安なのか、「ディスプレイ用としてお楽しみいただけます」という趣旨の文言まで。エンジンコンディションだけでなく、コントロールするECUや適合するトランスミッションを探すのも大変だからでしょうか。
フェラーリエンジンを積んだチューニングカーは、なかなかレアです。直近では、オーストラリアのチューナーが「612スカリエッティ」のエンジンをホールデン「トラーナ」に載せようとしているのが話題となっています。1年前から取り組んでいるようですが、今のところ完成したというニュースは聞こえてきません。
今回出品されているエンツォフェラーリのエンジン、予想落札価格は20万ドル~30万ドル(約3000万円〜4500万円)だそうです。落札されたエンジンはファンが飾るのか? 載せ替え需要で購入する方が出てくるのか? 興味津々です。
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