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この言葉を知ってたら昭和世代! ソレタコデュアルにチョーク!? 技術の進化で死語になった「クルマ用語」3選

技術の進化で消えたものだけでなく法規制で消えたものも

 クルマの技術は日々進化しています。

 昨日までの常識が、今日に刷新されるのは当たり前。その結果、数多くの技術が使われなくなり、それに伴う用語などが消えていきあました。今回はそんな消えた自動車用語を振り返ります。

リトラクタブルヘッドライト

 技術の進化ではなく、法規制の変化で消えていった言葉もあります。そのひとつが「リトラクタブルヘッドライト」です。

1974年登場のランボルギーニ「カウンタック」。漫画「サーキットの狼」などスーパーカーブームの際、子どもたちの憧れの1台だった
1974年登場のランボルギーニ「カウンタック」。漫画「サーキットの狼」などスーパーカーブームの際、子どもたちの憧れの1台だった

 これは、引っ込める(リトラクタブル)ことのできるヘッドライトのことになります。日本語的にいえば「収納式前照灯」という言葉になります。

 つまり日中など、必要ないときはフェンダーやフロントグリル内に引っ込めて収納することのできるヘッドライトのことです。

 空力性能に優れるだけでなく、デザイン性にも貢献するということで、1960年代から1980年代のフェラーリやランボルギーニなど、数多くのスーパーカーに採用されました。

 もちろん、日本車でもトヨタ「2000GT」をはじめスポーティモデルにも数多く採用されました。1990年代までは、スポーツカーのカッコ良さを盛り立てる重要なアイテムのひとつだったのです。

 しかし、安全性や重量増などの問題もあって、2000年ごろから法規制で禁止される国が増え、今ではすっかり絶滅することになってしまいました。

「チョーク」

 昭和の終わりになると、排出ガス対策のためにキャブレターが使われなり、インジェクションに代わっていきました。同時にクルマ用語もいくつか消えていきましたた。そのうちのひとつが「チョーク」です。

1970年製ボルボ「122Sアマゾン」のインパネ。チョークがある
1970年製ボルボ「122Sアマゾン」のインパネ。チョークがある

 キャブレターを使っていたクルマは、基本的に燃料と空気の混合具合は一定となります。しかし、比率によっては気温が低いときにエンジン始動がしにくくなるときもあります。

 そこでチョークという機構を使って混合比率を変化させ、エンジン始動性をアップさせるのです。ちなみに、パワーを重視したスポーツカー用のエンジンは始動性が悪く、エンジンをかけるために独特の手順を踏む必要のあるものも存在していました。

 かつては、そうした手順を高性能車ならではの作法と見て、ありがたがる向きもありました。ですが、混合比を機械的に自動で調整するオートチョークが普及していくにつれ、チョークの存在感は薄れていきます。そして電子制御化の結果、完全にチョークという言葉は消えていきました。

70年代チューニングの三種の神器「ソレタコデュアル」とは?

「ソレ・タコ・デュアル」

 ま昭和のクルマ好きのヤング(若者)であれば、知っていた、いや、知っていないとまずかった言葉が「ソレ・タコ・デュアル」です。

日産初代S30型「フェアレディZ」の高性能モデル「Z432」の2リッター直列6気筒「S20型」エンジン
日産初代S30型「フェアレディZ」の高性能モデル「Z432」の2リッター直列6気筒「S20型」エンジン

 これは「ソレックス」「タコ足」「デュアルマフラー」の3つをまとめた言葉で、1970年代から1980年代にかけてのチューニングの“三種の神器”とされていました。

 ソレックスとは、フランス製の高性能キャブレターを製造していたメーカーです。いまと違って1980年代までのクルマは、燃料と空気を混合させるのはキャブレターの仕事。ソレックスは、高性能キャブレターの代名詞的存在だったのです。

 またタコ足は、社外品となるエキゾーストマニホールド(排気管)です。エンジンの各気筒につながったエキゾーストマニホールドがエンジンルーム内で、まるでタコの足のようにとぐろを巻いたことから、タコ足と呼ばれました。

 そしてデュアルマフラーは、文字通りの2本の排気管のこと。排気経路を2本とすることで排出ガスの通り道が広くなり、それだけ排出ガスが抜けるときの抵抗が減ります。

 つまり、この3つのアイテムを使うことで、効率よく燃料と空気をガソリンにエンジンに送り込み、効率よくガスを排出。その結果としてエンジンのパワーがアップするというわけです。

 クルマ好きの若者であれば、いつの時代も愛車を少しでも速く、そしてカッコ良くしたいと思うもの。そうしたクルマ好きが、こぞって「ソレ・タコ・デュアル」を愛車に装着することが勲章のように思われていたのです。

 しかし、「ソレタコデュアル」がもてはやされるのは1980年代まで。1980年代後半から、徐々にクルマは電子制御化されていき、キャブレターが使われなくなっていきます。

 また、チューニング技術も高まって、さまざまな手法が広まっていきます。三種の神器をポンと付ければOKという時代は過ぎ去り、それにあわせて「ソレタコデュアル」という言葉も使われなくなってしまうのでした。

日産の2リッター直列6気筒S20型エンジン。複雑に曲がるエキゾーストマニホールドがタコの足に似ていることからタコ足と呼ばれた
日産の2リッター直列6気筒S20型エンジン。複雑に曲がるエキゾーストマニホールドがタコの足に似ていることからタコ足と呼ばれた

※ ※ ※

 他にも、技術の進化や法制度や流行の変化によって、消えた自動車用語は数多く存在します。

 いま現在、盛んに使われている用語も、いつかは消え失せてしまう可能性もあります。次に消えてしまう言葉は、いったい何なのでしょうか。そうしたことを予想するのも、またクルマの楽しみのひとつではないでしょうか。

Gallery 【画像】懐かしい! 昭和世代しか知らないクルマ用語を画像で解説(24枚)
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