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70年超、上野・アメ横で客を惹きつける餃子とは――町中華を語る上で知っておきたい「昇龍」(御徒町)【遠くても行きたい町中華#01】

●初代の祖父が満州で覚えた味を受け継ぐ大ぶりの餃子

 創業は三代目店主曰く「大体戦後」。東京都台東区、アメ横で昔から餃子といえばここ、といわれているのが「昇龍」です。地元民はもちろん、アメ横に買い物に来た人や、上野エリア散策を楽しむ人などに愛され続けています。

餃子1人前4個530円。中はキャベツたっぷり、もっちりジューシー
餃子1人前4個530円。中はキャベツたっぷり、もっちりジューシー

 ランチタイムを過ぎてもほぼ満席、餃子をつまみにのんびりと酒を飲んで楽しむ年配客がいれば、近くで働く若者が、ラーメンとチャーハンをかっこんでスッと席を立つ、という姿も。

 そして店頭では、生or焼き餃子を買い求める人も多く、「多い日だと1日で200~250人前は売れるね」と店主。

「元々は祖父が70〜80年前に、上野駅の地下にあったメトロ食堂で初めて、昭和30年代に今の場所に来てね」

 店主曰く、「祖父が満州に行って見たんだか食ったんだか」で始まった、店の看板料理となる餃子は、創業以来作り方を変えていないとのこと。

「ウチは皮もあんも手作り。皮に厚みがあって、あんは野菜たっぷりなのが特徴だね」

 餃子は1人前4個入り530円。4つですが、一般的な餃子の1.2〜1.5倍はある食べ応え十分なサイズ。モチモチの皮からキャベツの甘み、肉の旨みがジュワッと口の中いっぱいに広がってきます。

 1個目はそのまま、2個目は酢だけ、3つ目から醤油とラー油、という風に徐々につけダレを変えて食べても楽しい。そして生ビールやレモンサワーにも合う! 

 電車が上を通過するのを感じながら、底カリカリ&もちもちの餃子を味わって、じんわり酔っていく、というのもたまりません。

●40年超えのベテラン調理人が“秒”で作る絶品レバニラ炒め

 餃子に続く店一押しのメニューは「レバニラ炒め」720円。

「昔からずっとある人気メニューだね。レバーが臭くないって、みんな喜んでくれるから。ホントよく出るよ」と店主。

 レバー、ニラ、もやし、にんじん、玉ねぎなどを大きな中華鍋で炒めて作るレバニラは、レバーがツヤッツヤでフルフル、そして野菜がシャッキシャキ。

レバニラ炒めを作るベテラン調理人。あっという間に炒め物を次々と作っていく
レバニラ炒めを作るベテラン調理人。あっという間に炒め物を次々と作っていく

 厨房をのぞくと、ベテラン感のある男性が中華鍋を軽やかに振り、続々と注文を捌いていきます。

「俺のガキの頃からずっと厨房にいるからね。おそらく40年以上じゃないかな」

 昇龍の味を決めている、大ベテランの料理人です。

 驚きなのは、レバニラ炒め、おそらく1分も炒めていない。熱した中華鍋を油で熱して野菜入れて、油通ししたレバーを入れて、味付けして、あっという間に完成。

 だからこその野菜シャキシャキ、レバーフルフル。自宅のコンロでは再現不可能、強力な火と熟練の技だからこそ作り出せる最高のバランスです。

 そして、店主がもうひとつおすすめだと語るのが「焼きそば」770円。

 こちらも昔からファンの多い一品で、「酒のつまみにもなるしゴハンのおかずにもなる焼きそばだね」。

 ということは、味が濃い目の焼きそば? 

 「いやいや、ウチはね、味は濃くしないの。濃くしちゃうと飽きちゃうからさ」。とニッコリ。

 ソースではなく醤油ベースの焼きそばは、ガツンとこないけれど一口食べたらまたすぐ口に運びたくなる、胃袋が許す限りずっと食べていたいと感じるクセになる美味しさ。ご飯でも酒でも合う、というのに思わず納得です。

玉袋筋太郎さんも絶賛したという焼きそば770円。シンプルなのに奥深い美味しさ
玉袋筋太郎さんも絶賛したという焼きそば770円。シンプルなのに奥深い美味しさ

 客のほとんどは熟年層だったのが、最近ではSNSの影響で若い人も増えているという昇龍。

 週末など混んでいる時は60分の時間制限があるので、可能であれば平日ランチタイム以降など、空いていそうな時間に行くのがおすすめです。店に入ると1Fは4席しかなく、いつでも満席に見えるのですが、2Fにテーブル席、カウンター席があるので、まずは入って席が空いているか確認を。

 上野・アメ横でずっと愛され続けている店、昇龍。昔から続く美味しさを求め、お腹いっぱい食べるのも良し、せんべろ巡りの1件として楽しむのもおすすめですよ。

店名:昇龍
住所:東京都台東区上野6-10-14
電話:03-3831-0883
営業時間:11:20〜21:00、金・土曜〜21:30、日・祝〜20:00(LO各30分前)
定休日:月(祝日の場合翌日休み)

Gallery 【画像】町中華のおいしさと文化を味わえる「昇竜」の魅力を見る(19枚)
「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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