地図アプリがあっても迷う? メルセデス、スバルも導入した半径3メートル四方の精密ナビゲーションがだれでも利用可能に
●GPSの座標では、まだ道案内が不十分!
いまは、スマートフォンの「Googleマップ」などの地図アプリのおかげで、現在地や目的地の座標をSNSで簡単に交換にできる。だから、これほど「目的地までの道案内」や「人との待ち合わせ」が楽に、確実にできる時代はない。
初めて行く場所でも、地図アプリを起動してその目的地を検索。その場所の地図が画面に表示されたら、画面メニューから「共有」をタップすると、メモ帳に残したり、その場所の座標をメールやSNSで相手に送って他人や仲間と共有したりできる。
この地図アプリの機能は、スマートフォンを使い初めて「素晴らしいな」と思ったもののひとつだ。

道案内も現地での友達との待ち合わせも「これで完璧!絶対迷わない!」ことになるかというと、確かに頼りになるけれど、完璧ではない。目指す場所の近くには間違いなく来ているのだが、完璧なナビゲーションやスムースな待ち合わせには、精度が不足しているのだ。
GPS衛星の電波を受信してわかる地図アプリの現在地の座標データの精度(誤差)は、Googleマップの場合約20メートル以内。つまり目指す場所は20メートル四方(400平方メートル)の中にある。
ということは「目的地に到着しました」と地図アプリが表示した後は、20メートル四方の中を目と足で探索しなければならない。「地図アプリがあったら迷うハズはない」というのは、地図アプリの機能を過大評価した思い込み。
「地図アプリがあっても迷う」のは当然のことなのである。
●「これなら迷わない」半径約3メートルの高精度を実現!
このGPS衛星を使ったスマートフォンの地図アプリの「限界」、それでも迷ってしまう「お悩み」を解決したのが、2013年7月に現CEO(最高経営責任者)のクリス・シェルドリック氏が仲間3人と設立した「3つの単語を使った」位置情報技術とそのサービス「what3words(ワットスリーワーズ)」だ。
この位置情報技術では、地球上のあらゆる場所を3メートル四方(9平方メートル)、全部で約57兆個のマス目に分割してその場所を表す。
つまり2次元で約45倍(※)もの精度が実現できる。しかもこの場所をGPSの座標軸のように数字で表すのではなく、ランダムに割り振られた「3つの単語」を並べることで表す。※編集部調べ
だから簡単にメモできるし、他人に伝えるのも簡単で確実。ちょっと不思議な単語の並びになるので、最初は「アレっ?」と思いますが、かえって印象深くてわかりやすい。

CEOのシェルドリック氏がこの技術とサービスを考案したきっかけも面白い。
コンサートを主催していた氏は、コンサート会場の位置や機材の搬入場所がうまく関係者に伝わらない、そのためにスタッフの集合が遅れ、リハーサルやコンサートの開催が予定通りにできないという問題に毎回悩んでいたという。
「GPSを使った従来の位置情報サービスでは、場所がしっかり伝わらない。何とか方法はないのか。そこで仲間と思いついたのがこの技術とサービスです。3メートル四方で場所を特定できれば、コンサート会場の搬入口まで、バッチリ特定して伝えることができる。絶対に場所を探して迷わないで済む。しかも座標の数字の代わりに3つの単語を使えば、約57兆ある場所を定義できます」
この位置情報技術とサービスは、世界の193カ国で使われ、英語ばかりでなく現在、45の言語で利用できる。
つまり地球上のあらゆる場所が45もの言語で定義されている。日本語もそのうちのひとつだ。そして使える言語は今後、さらに増やす予定だという。つまり自分の国の言葉でこの位置情報サービスが使える。
しかも間違いやすい単語が重複したり、攻撃的な単語が使われたりすることがないように細かな配慮がなされている。
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