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ジープもアルファロメオもマセラティも電動化!? ステランティスの新プラットフォーム「STLAラージ」と今後の未来とは?

大型車向けのプラットフォーム「STLAラージ」はあらゆる大型BEVに対応

 ステランティスの新しいプラットフォーム“STLAラージ(ステラ・ラージと読みます)”が発表された当日、グループを束ねるカルロス・タバレスCEOを交えてのリモート・インタビューが実施されました。

 世界各国から参加したジャーナリストの数は、およそ100名。参加者から寄せられる質問は引きも切らず、予定の1時間を迎えたところでタバレスCEOみずからが「15分間延長しよう」と提案するほど白熱したものとなりました。

 ここでは、当日のリモート・インタビューの内容を簡単に振り返ってみることにします。

STLAラージプラットフォームを用いたBEVコンセプトカー、ジープ「ワゴニアS」。2024年中に市販化される見通しだ
STLAラージプラットフォームを用いたBEVコンセプトカー、ジープ「ワゴニアS」。2024年中に市販化される見通しだ

 2030年までに乗用車のBEV比率を「ヨーロッパで100%、アメリカで50%」まで高めることを目標としているステランティスは、STLAスモール、STLAミディアム、STLAラージ、STLAフレームという4つのBEV向けプラットフォームでラインアップをカバーするなどの電動化戦略を2021年に表明。2023年のSTLAミディアムに続いて、今回、STLAラージを発表しました。

 このうちSTLAラージは文字どおり大型車向けのプラットフォームで、全長4764mm〜5126mm、全幅1897mm〜2030mm、ホイールベース2870mm〜3075mm、最低地上高140mm〜288mmの車両に適用できます。

 しかも、最大で118kWhのバッテリーを搭載できるほか、400Vシステムや800Vシステムを採用して1分間あたり4.5kWhの急速充電が可能とされています。そして前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動のいずれにも対応し、パワフルなモーターを積めば0-100km/h加速は2秒台でクリアできるので、ファミリーカーから高性能車まで、そして本格クロカン4WDからラグジュアリーカーまで、様々なモデルを生み出す源になるといいます。

 タバレスCEOによれば、STLAラージを採用した最初の製品は2024年にダッジとジープからデビュー。続いてクライスラー、アルファロメオ、マセラティのあわせて5ブランドが、2026年までにこのプラットフォームをベースにした新型車を市場に投入するそうです。

 なお、ダッジ・チャージャー・デイトナSRT、ジープ・ワゴニアSといったBEVのコンセプトカーがすでに発表されているので、STLAラージを最初に採用するのはこの2モデルとなる見通しです。

 また、2024年1月に来日したアルファロメオのジャン-フィリップ・インパラート最高経営責任者は「2025年と2026年にジュリアとステルヴィオの後継モデルを投入する」と語っていたので、これらのモデルにもSTLAラージは用いられるでしょう。

 インパラート最高経営責任者によれば、もっともパワフルなモデルは最高出力が954psで、800Vシステムを搭載し、航続距離はおよそ700km。しかも、バッテリーを80%まで充電するのに必要な時間は最短で18分間まで短縮できると自慢げに語っていました。

 リモート・インタビューに参加したジャーナリストのひとりは、タバレスCEOが語った「STLAラージは5ブランドに展開される」という説明に早速、噛みつきました。「たったひとつのプラットフォームで、さまざまなブランドに応じたキャラクターを本当に作り分けられるか?」というのです。

ステランティスのカルロス・タバレスCEO。世界中のジャーナリスト100名とのリモート・インタビューをおこなった
ステランティスのカルロス・タバレスCEO。世界中のジャーナリスト100名とのリモート・インタビューをおこなった

 これに対するタバレスCEOの回答は明快でした。

「プラットフォーム論争は、過去30年間にわたって繰り返されてきました。しかし、この疑問に対しては、これまで私たちがリリースしてきた製品がその回答になっていると考えていますし、今後も製品で疑問に答えていきます」

 私自身も、同一プラットフォームで複数ブランドに対応するキャラクターを作り分けることは可能だと思っています。

 たしかに、プラットフォーム固有の“クセ”のようなものが残ることはありますが、足回りやパワートレインの味付けやデザインなどでブランドごとの差別化は十分に図れます。そのことはステランティス・グループだけでなくフォルクスワーゲン・グループでも実践されているので、電動化時代を迎えても基本的には変わらないと考えられます。

「オフロードモデルからハイウェイクルーザーまで、異なる地上高や駆動方式を採用することで差別化は十分に可能ですし、この点はまったく問題にならないと考えています」 タバレスCEOはそう付け加えて回答を締め括りました。

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