冬だけじゃない? 夏や雨の日もイケる? 最新「オールシーズンタイヤ」ってどうなの? グッドイヤーの「ベクター」を体感してみた
オールシーズンタイヤとレース用タイヤの意外に深い関係は?
グッドイヤーのオールシーズンタイヤとレース用タイヤが深い関係にある。そう聞くと多くの人は「そんなわけない」と思うことでしょう。
無理もありません。ここだけの話ですが筆者だって、グッドイヤーの担当スタッフから説明を受けるまでは、まったく意識していませんでしたから。

レース用のタイヤがどうオールシーズンタイヤと関係するのか。それはグッドイヤーがタイヤサプライヤーとして参戦する国際格式のレース「WEC(World Endurance Championship=世界耐久選手権)」に大きくかかわっています。
WECといってもかなりのレース通じゃないとピンと来ないかもしれません。でも、日本でもおなじみの「ル・マン24時間耐久レース」や日本で開催される「富士6時間耐久」がそのシリーズ戦のひとつだといえば、なんとなくイメージが湧くクルマ好きも多くいることでしょう。
グッドイヤーは2023シーズンまでWECの「LMP2」というカテゴリーの全マシンにタイヤを供給していました。驚くのは、用意するタイヤの種類です。
レースに詳しい人ならば、同じように見えるレース用タイヤでも気温や路面温度などによって複数のタイプを使い分けるのが常識だとご存じでしょう。
「ハード」と「ソフト」、ときにはその中間も用意するといったように、見た目は同じでも、コンパウンド(ゴムの特性)が異なるタイヤを用意するのです。
しかしグッドイヤーはそれをやめ、“たったひとつ”にしてしまったのです(溝がない「スリック」と濡れた路面用に同じ溝を入れた「ウェット」を用意するのみでコンパウンドはどちらも同じ)。
通常なら数タイプが必要という常識をグッドイヤーは最新のテクノロジーで打ち破り、1タイプのコンパウンドで幅広い気温や路面温度、そしてサーキットの特性に対応できるレース用タイヤを実現したのです。
聡明なみなさんならお気づきでしょう。その発想がオールシーズンタイヤとの共通点というわけです。
オールシーズンタイヤは、1本のタイヤであらゆる路面、幅広い環境に対応できるタイヤのこと。
レースでも公道でも、1本のタイヤで最大限に多くの路面に対応するというのがグッドイヤーの考え方ということなのです。
それがレースではコストダウンやサステナブル(原料も少なくて済むし数種類のタイヤを運ぶための環境負荷を低減できる)を実現。
いっぽうオールシーズンタイヤでは一般ユーザーに多くのベネフィットをもたらしてくれます。
日常的に降雪するような地域でなければ、夏タイヤと冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)を履き替える必要がなくなるから、コストを低減し、履き替える手間を減らし、また保管場所の必要もなくなるからです。

レース用タイヤもオールシーズンタイヤも、技術のポイントとなるのは幅広い温度に対応するコンパウンド。
実は、グッドイヤーはレース用タイヤも市販のタイヤもコンパウンドの開発は同じチームがおこなっているとのこと。
考え方だけでなく、基礎的なテクノロジーまでレース用タイヤとオールシーズンタイヤがしっかりとシンクロしているのです。
そんなグッドイヤーの市販オールシーズンタイヤの最新版が「VECTOR 4SEASONS GEN-3(ベクター・フォーシーズンズ・ジェンスリー)」。
ちなみにオールシーズンタイヤはドライやウェットといった夏用タイヤの性能を高いレベルで保ちつつ、雪道も走れるのが特徴。
スタッドレスタイヤではないから氷の上を走るのまでは得意としないものの、雪道での高い性能が検証されたことを示す「スノーフレークマーク」もあり、高速道路の冬用タイヤ規制もスタッドレスタイヤなどと同様に通行可能なアイテムです。
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