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なぜ「ラグスポ時計」はブームに!? もはや絶対定番化? 次なるトレンドは「シンプルなドレスウォッチ」になる理由とは

●次なるブームは「ほっとするシンプル&クラシック」

 ブームから定番へ。ラグスポをめぐるこの動きは、一般の消費者にとってとても良いことだ。ラグスポを購入するとき、デザインや価格の選択肢は驚くほど増えた。本当の「買い時」がやってきた、と言っていい。

 ではラグスポの先、次なるブームになる時計とは? それは、シンプルでクラシックなデザインのドレスウォッチだ。今年のWWGでは、魅力的なドレスウォッチが続々と登場した。

 ファッションの世界ではコロナ禍以降、カジュアル化が一気に加速した。だがその反動なのか、まだ一部ではあるが、若い世代にクラシックスーツが発見され、そのブームが静かに起きている。

「スニーカーで来店された若いお客様が、意外なことにシンプルな時計を購入された」「時計売り場からスーツ売り場にご案内した」という話を、筆者はこの2、3年の間に、複数の大手百貨店の時計売り場の関係者から聞いている。

 そして、それと呼応するように2024年のWWGでは、メカニズムもデザインもとにかくシンプルで上質な新作が登場した。

 しかもクラシックテイストで上品だからタイムレス。だから、気負いせずリラックスして着けられる。ひとことで言えば、ほっとする時計。

グランドセイコー初の手巻きモデル「エボリューション9 コレクションRef.SLGW003」
グランドセイコー初の手巻きモデル「エボリューション9 コレクションRef.SLGW003」

 たとえば、筆者が個人的に敬愛する時計師ミッシェル・パルミジャーニのブランド「パルミジャーニ・フルリエ」から発売された「トリック プティ・セコンド」や、「グランドセイコー」の新型ムーブメント初の手巻きモデル。

 カルティエの「サントス ドゥ カルティエ」やショパールの「L.U.C XPS フォレストグリーン」。

 また、昨年のジュネーブ・ウオッチ・グランプリで、手頃な価格でも上質な時計に贈られる「チャレンジウォッチ賞」を受賞したレイモンド ウェイルの「ミレジム」もこのカテゴリーに入るだろう。

カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」
カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」

 このジャンルの時計はこれから間違いなくブームになる。1970年代のラグジュアリースポーツウォッチのように「再発見」されることで。

 なぜならこの20年あまり、シンプルウォッチがブランドを超えたブームになったことは、ほぼなかったからだ。

 大人世代はもちろん、若い世代にとってこうした時計は、クラシックなスーツと同様に、“新鮮”で新しいものに映るに違いない。

Gallery 【画像】絶対定番のラグスポ? それとも新時代のドレスウォッチ?を画像で見る(12枚)
「2段あたため」レンジがすごすぎるっ!? 最新レンジを徹底紹介
渋谷ヤスヒト
渋谷ヤスヒト
時計&モノジャーナリスト、編集者
1962年生まれ。文芸編集者を経て、モノ情報誌や時計専門誌の副編集長を務めた後、時計ジャーナリストとして独立。現在はライター、フリー編集者として多方面で活動。特筆すべきは1995年から一度も欠かすことなく続けているスイスの時計フェアや世界各国のブランド取材。30年以上のキャリアに裏打ちされた業界VIPとの信頼関係を活かし、業界全体を俯瞰した独自の記事を執筆する。また時計に留まらず、モノ情報誌の編集者時代のネットワークと知識でIT機器、自動車、家電、食品など、「モノ作り」の現場を幅広く網羅。完成品から下請け企業まで一貫して追いかけ、「人が本当に幸福になれるモノとは何か」を探求し発信中。

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