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なぜ「ラグスポ時計」はブームに!? もはや絶対定番化? 次なるトレンドは「シンプルなドレスウォッチ」になる理由とは

●もはやラグスポは定番化

 2024年の4月にスイスのジュネーブで開催された世界最高峰&唯一無二の時計フェア「ウォッチズ・アンド・ワンダーズ・ジュネーブ(WWG)」。そこでわかった最新の時計トレンドをお伝えするレポートの第2弾。

 今回はこの5年あまり、もっとも大きなトレンドだった「ラグジュアリースポーツウォッチ(ラグスポ)」の次、についてお伝えする。

2023年に登場したIWCのラグスポである新「インヂュニア」
2023年に登場したIWCのラグスポである新「インヂュニア」

 時計ブランドの間でこの10年近く続いてきた「ラグジュアリースポーツ(ラグスポ)ウォッチ」ブームは終わった。これが2024年のWWGではっきりした。筆者はこう考えている。

 なぜならこのジャンルで“完全な新作”は見当たらなかったからだ。この見方には異論もあるだろう。

 そもそも「ラグジュアリースポーツウォッチ」をどう定義するかで、この結論は変わってくる。

1)薄型ケースでインテグラル(ケースとブレスレットが一体型になった)で、スポーティというよりドレッシー(上品で落ち着いた)デザイン。

2)ケースとブレスレットの素材はステンレススチールが基本で、スポーツシーンでも使える防水性を備えている。

3)そのため、オンオフどちらのシーンでも違和感なく使える。

 筆者は勝手ながら、これが現代のラグジュアリースポーツウォッチの3条件だと考えている。また、オリジナルモデルがある場合は、ほぼすべてが1970年代のもの。

 さらにケースの形状は幾何学的なバランスに優れた8角形が基本。この2つもラグジュアリースポーツウォッチの定義に含めても良いかもしれない。

 そしてこのジャンルの開拓者は言うまでもなく、逝去してから評価が高まる一方の天才ウォッチデザイナーのジェラルド・ジェンタ(1931〜2011)だ。彼がデザインしたオーデマ ピゲの「ロイヤル オーク」(1972)やパテック フィリップの「ノーチラス」(1976)、そしてIWCの「インヂュニア Ref.1832」(1976)だ。

 どれも1970年代に発売され、前のふたつはこの10年あまり、生産数が少ないこともあり、新品はいくら購入したくても手に入らないほどの人気になった。

Nextなぜラグスポはブームに?
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渋谷ヤスヒト
渋谷ヤスヒト
時計&モノジャーナリスト、編集者
1962年生まれ。文芸編集者を経て、モノ情報誌や時計専門誌の副編集長を務めた後、時計ジャーナリストとして独立。現在はライター、フリー編集者として多方面で活動。特筆すべきは1995年から一度も欠かすことなく続けているスイスの時計フェアや世界各国のブランド取材。30年以上のキャリアに裏打ちされた業界VIPとの信頼関係を活かし、業界全体を俯瞰した独自の記事を執筆する。また時計に留まらず、モノ情報誌の編集者時代のネットワークと知識でIT機器、自動車、家電、食品など、「モノ作り」の現場を幅広く網羅。完成品から下請け企業まで一貫して追いかけ、「人が本当に幸福になれるモノとは何か」を探求し発信中。

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