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お祝いの品に傘を 昔ながらの素材技法でつくる 東京・浅草の老舗店が手がける“こだわりの傘”とは?【匠の逸品#10】

変わらないからこその精巧さ 老舗傘店のこだわりとは

 夏から秋にかけての時期は、降水量が多くなる傾向があります。

 雨といえば6月、梅雨の時期を想像すると思いますが、じつは東京の月ごとの平均値は9月が合計224.9mm、10月が234.8mmと、年間で一番雨が降る季節となっています。

 また夏の紫外線は強く、常に日傘を手放せないという人も多いでしょう。

 このように、1年のうち、傘を使用する場面は意外と多いです。

 何気ない日常生活の1シーンに登場する傘だからこそ、こだわりを持って製造を行っている専門店があります。

 それが、東京都浅草にある「トンボ洋傘前原光榮店」です。

モノにこだわる人にいま人気なのが、前原洋傘光榮店の紳士傘だ
モノにこだわる人にいま人気なのが、前原洋傘光榮店の紳士傘だ

 昭和23年に創業され、現代に至るまで代々技術を引き継いできた老舗店ですが、どのような想いで傘の製造を手がけ続けているのでしょうか。

 これについて、前原洋傘光榮店の責任者、前原氏は次のように話しています。

「弊社は1948年の創業以来、日本の洋傘づくりの製造加工技術にて洋傘を作り続けております。

 比較的雨天というものは鬱陶しく憂鬱なイメージが多いですが、その中でも雨の日が楽しみになる、傘をさしていて気分が上がる傘を目指して傘づくりに励んでおります」

 かつての日本では、洋傘を構成するさまざまな部材が国産で賄うことができ、洋傘職人も多くいたため高品質の洋傘が安価で手に入れることが可能でした。

 しかし、高度経済成長の時代に入ると、大量生産大量消費が大きな流れになり、多くの洋傘加工企業が海外(主に中国)に製造拠点を移しため結果的にたくさんの洋傘職人を失うこととなったそうです。

トンボ洋傘前原光榮商店の浅草三筋町店
トンボ洋傘前原光榮商店の浅草三筋町店

 さらに、傘製造へのこだわりについて、前原氏は次のように話しました。

「その時代、弊社は非効率で材料も高価になっていく中、愚直に昔ながらの素材と昔ながらの技法で洋傘を作り続けてきました。

 傘は多くの部材と、高い縫製技術にて作り上げられますが、その一つ一つにこだわりをもって製造しております」

 前原光榮店の傘は、「1. 生地を織る 2. 骨を組む 3. 手元を作る 4. 生地を裁断縫製する」とういう4つの段階をもとに、それぞれ熟練の職人たちの手によって丁寧な製造作業が行われています。

 創業以来のこだわりを一貫してきた前原光榮店は、日本の高級傘ブランドとしての地位を確立していきました。

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