北欧ロフォーテン諸島をイタリアン・スーパーカーで旅する
ランボルギーニ・ウラカンEVOでノルウェーのロフォーテン諸島の絶景を走る
翌日は、ランチ後にモーターボートで“イーグルウォッチング”に出掛けた。フィヨルドの奥の奥まで船を進め、鷹の巣の前でエンジンを切り、帰ってくる鷹を待った。一つ目の巣は空振りで、二つ目では数羽の鷹たちが飛び交うのを下から拝むことができた。
陸に上がり、再びウラカンEVOで走り始めた。先代モデルに相当する「ウラカンLP610-4」よりも性能が向上し、それだけでなく快適性や使い勝手までも増している。
ハーシュタットの街に戻ってきて、ウラカンEVOをガレージに仕舞い、ナイトトレッキングに出掛けた。バスで山の中腹まで出掛け、そこから岩山を登っていくこと2時間弱。用心して晩御飯のワインには手を付けないで良かった。ハイペースの岩山トレッキングに、最後は息が切れた。
その先を見たら腰が引けてしまった。はるか下の海岸線が見えたからである。足を滑らせたら、真っ逆さまだ。岩山の頂点まで来たのだ。周囲を眺めると、360度すべて他の岩山の頂上部分しか見えない。昨日から夕方まで走りながら下から見上げて来た岩山の、ひとつの頂上まで登って来た。下からのフィヨルドも絶景だったけれども、上からはもっと絶景だ。こんな体験は初めてだ。
アウトモビリ・ランボルギーニ社のステファノ・ドメニカリCEOも一緒に登って来ていた。
「気に入りましたか?」
──この場所のことですか? それともウラカンEVOのことですか?
「両方のことですよ」
──もちろんです。ウラカンEVOはエキサイティングだったし、ここからの景色は素晴らしい。一生、忘れられないでしょう。
「それは良かったです」
──最近のランボルギーニは、こうしたイベントを世界中で開催されていますが、その理由と動機は、どこにあるのですか?
「単に造って売るだけでなく、“運転する喜び”を体験できる機会を提供することも我々の大切な仕事になってきました」
──つまり、クルマを製造して販売するだけが仕事なのではなくなったということですか?
「その通りです」
──イベントで体験してもらうと、購入を促す効果も大きいですね。
「ええ。加えて、すでに購入していただいている顧客に満足感を得てもらうことも大切です。ランボルギーニは1台で走っても満足感は大きいですが、仲間と走っても格別です。また、今回のように、ふだん個人ではなかなか行けない場所に行き、体験できないことを体験してもらうのも大きな目的です」
ランボルギーニのような特別なクルマを製造するメーカーでも、“体験”つまり“コト”を重視するようになったのだろうか?
「同じですけれども、少し違います。ランボルギーニが提供するわけですから、日常生活ではなかなか体験できない、やはり特別な、非日常的なものでなければなりません。ランボルギーニのクルマが特別であるのと同じくらいに、特別で非日常的な体験を提供しなければならないでしょう」
この時、すでに午前1時。陽はまったく翳っていない。ドメニカリCEOは、崖に突き出した岩の先に立って、カメラマンからのポーズの注文に応えている。サービス精神旺盛な人なのだ。
ホテルの部屋に戻ったら、午前3時30分。この時期は太陽が一度も沈まないそうだ。ウラカンEVOの仕上がり具合は予想以上だったし、イーグルウォッチングも白夜トレッキングも非日常体験そのものだった。
「美しいクルマで美しい道を走る。これ以上の非日常体験があるでしょうか!?」
ドメニカリCEOの確信に満ちた言葉が、いつまでも響いている。
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