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スーパーカー世代にはたまらない! 52年前のフェラーリ「ディーノ」を発見 極上の個体は希少な“右ハンドル”仕様

数奇な運命をたどった“ピッコロフェラーリ”

 スーパーカーファンなら「ディーノ」の名を知らない人はいないでしょう。

 フェラーリの総帥、エンツォの愛息の愛称が与えられ、ピニンファリーナの手になる美しいボディにF2由来の2リッター(のちに2.4リッター)のV6エンジンを搭載したスポーツカーです。

オークションに登場した1973年式フェラーリ「ディーノ246GTS byスカリエッティ」Alex Penfold(c)Courtesy of RM Sotheby's
オークションに登場した1973年式フェラーリ「ディーノ246GTS byスカリエッティ」Alex Penfold(c)Courtesy of RM Sotheby's

「12気筒以外はフェラーリにあらず」として、フェラーリの名は与えられなかったと言われていますが、多くのファンは「ピッコロ(小さな)フェラーリ」と呼んでディーノを愛していました。

 ディーノにはクーペのGTとデタッチャブルトップを備えたGTSがラインナップされました。

 ここで紹介する「ブルーキアロ・メタリツァート(英語で言えばライトブルーメタリック)」で仕上げられた右ハンドル英国仕様のディーノ246GTSは、わずか6台しか作られませんでした。

 そのうちの1台、このシャシNo.07182は、256台しか生産されていない右ハンドル英国仕様のディーノ246GTSの中で、間違いなくもっとも華やかな1台といえるでしょう。

 1973年10月に工場出荷時のオーダー書によると、このディーノにはパワーウインドー、メタリック塗装、ベージュのレザーインテリアに加え、ブラックのファブリックシートが装備されていました。

 このディーノは英国本土からイギリス海峡上のチャンネル諸島のひとつ、ジャージー島にある会社に新車で売却されました。

 1977年に英国本土に戻り、ロンドンにオフィスを構えるオーストラリアン エクスプレス紙の記者の手にわたりました。彼は母国でディーノを楽しもうと、オーストラリアに送りました。その後、何人かのオーナーの手を経て、1999年に再度イギリスに戻りました。
 
 このディーノは、2020年に「フェラーリ クラシケ」によってオリジナルのシャシ、エンジン、ギアボックス、そしてボディワークが保たれていることが認定されました。

 このクルマには英国に戻ってからの整備の請求書が多数残されており、それらはすべてフェラーリの正規ディーラーや専門ワークショップによるものです。

 2024年の夏、このディーノ246GTSはブルーキアロ・メタリッツァートのボディカラーにブラックのファブリックをインサートしたベージュのインテリアという、納車時の状態に戻されることが決定、丹念に当時の色に再塗装する作業がおこなわれ。インテリアも修復されました。。

 このディーノ246GTSは、ジャージー諸島から英国ロンドンを経てオーストラリアへ、そしてまた英国に戻ってくるという数奇な運命をたどってきました。

 走行距離はオリジナルのメーターどおり5万2500マイル(約8万4000km)未満であることが保証されています。

 このように美しくレストアされ、新車からの歴史が分かり、しかもフェラーリクラシケの認定を受けたディーノを見つけることは、想像以上に難しい作業です。

 この1973年型ディーノ246GTS(右ハンドル英国仕様)は、落札価格が48万英国ポンド(1英国ポンド=192円として、約9216万円)で交渉中のようです。

Gallery 【画像】「サーキットの狼」でも活躍したスーパーカー!フェラーリ「ディーノ」を写真で見る(28枚)
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