大都会・大阪に ぽつんと「秘境駅」があった!? なんばから徒歩15分で乗れるローカル線にある 誰もいない“都会のエアスポット”とは
タイムスリップしてきたかのような佇まいの秘境駅
南海汐見橋線の電車に乗り込むと、目的地の木津川駅は、岸里玉出駅から3駅目となります。

木津川駅に降り立ってまず驚くのが、そのタイムスリップしてきたかのような佇まいです。
駅はもちろん無人駅ですが、島式1面2線のホームから線路の西側に設けられた駅舎まで、下り側の線路を渡る構内踏切が、遮断機および警報器付きで設置されています。
列車の運行本数を考えたらホームを1面1線として構内踏切を廃止してもよさそうなものですが、それにはコストがかかるということなのでしょう。
そして駅を一歩出ると、そこには“何もない駅前”が広がります。
商店のたぐい、とくに大都市の駅前ならどこにでもあるコンビニエンスストアの姿もなく、目の前には南海電鉄の所有を示す看板が立った小さな空き地、その向こうに工場や倉庫が建ち並びます。
この工場に沿って表通りまで歩いて出ても、立ち寄れるような店舗や飲食店は皆無です。
駅に取って返し、今度は下り方向の踏切を渡って駅の東側に出てみます。少し歩くと「北津守公園」に行き当たりますが、商店などはなく、細い道の遠く向こうに阪神高速15号堺線の高架が目に入ります。
ここで後ろを振り返っても、駅の存在を示すような案内は皆無です。
公園の横を通り抜けると工場や住宅が混在するエリアとなり、さらに進んで阪神高速の高架をくぐると、街並みは次第に住宅地へと姿を変えていきます。
※ ※ ※
では木津川駅は、どうしてこのような秘境駅として存続しているのでしょうか。また南海汐見橋線は、なぜ都会の真ん中で、30分に1本という閑散ダイヤで運行しているのでしょうか。
その大きな理由は、汐見橋線の両端となる汐見橋駅、岸里玉出駅とも、そこからキタやミナミなどの大阪市街中心部に行くにはさらに乗り換えが必要になり、不便だということになるでしょう。
じつは木津川駅の東側に広がる住宅地は、JR西日本大阪環状線の芦原橋駅、大阪環状線および大和路線の今宮駅にも近く、キタやミナミに行くなら、汐見橋線よりもJR線を利用したほうが圧倒的に便利なのです。
また西側は前述のように工場や倉庫が立ち並ぶ地域で、鉄道利用の需要が高い地域ではありません。
現在、日本各地の都市圏では工場跡地を利用したマンション建設が盛んですが、最寄り駅となる路線が「30分に1本」であること、スーパーなど生活に必須の施設が駅近隣に皆無であることから、ここにマンションを建てても魅力には乏しいものとなりそうです。
汐見橋線の30分に1本、2両編成の電車が走るさま、そして木津川駅のひなびた味わいは、まるで大都会のエアポケットのようです。もし大阪を訪ね、時間が余ることがあれば、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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