21時45分にもう終電!? 大都会・大阪をトコトコ走る 2両編成の“ローカル線”とは なぜ今も現役で走っている?
汐見橋駅の終電は22時10分、岸里玉出駅は21時45分
日本の都市圏の鉄道は、世界的に見ても有数の高頻度運転を行っています。
朝夕のラッシュ時には多くの路線で4分から5分に1本という頻度で運行され、なかにはJR中央線快速、東京メトロ銀座線および丸ノ内線、大阪メトロ御堂筋線のように、約2分に1本という超高頻度の路線もあります。
しかしそうした都市圏の鉄道ながら、ラッシュ時ですら「30分に1本」という、まるでローカル線のような運転間隔のダイヤが組まれている路線があります。
それは「南海電鉄高野線」の汐見橋駅〜岸里玉出駅間を走る、通称「汐見橋線」と呼ばれる路線です。

起点となる汐見橋駅の下り始発は6時10分の岸里玉出駅行きで、以降、19時台まで「10分発、40分発」の規則正しいダイヤが組まれています。
そして20時台にかかると「15分発、50分発」の35分間隔となり、21時台は「30分発」、22時台は「10分発」とさらに運転間隔が開き、この22時10分発が終電となります。
また終点岸里玉出駅からの上り電車も同様のパターンでダイヤが組まれ、終電は21時45分という、都市部では異例の早さです。
路線は全線複線ですが、この運転間隔のため、中間駅で上り電車と下り電車が行き違うことはありません。
こうした路線が「都市圏ながらも周縁部」に位置するのであれば、運行本数の少なさに納得できる部分もあるでしょう。しかし汐見橋駅は大阪市浪速区、岸里玉出駅は大阪市西成区と、ともに大阪市内にあるのです。
ではなぜ汐見橋線は“都会のローカル線”となっているのでしょうか。その理由を探る前に、まずは汐見橋線の沿革から紐解いていきましょう。
汐見橋線は前述のように南海高野線の一部ですが、そのルーツは1898年に大小路駅(現在の堺東駅)から狭山駅間で開業した高野鉄道にさかのぼります。
高野鉄道は大小路駅から北上して大阪市内への乗り入れを目指し、1900年に道頓堀駅までの延伸を果たします。この道頓堀駅が、現在の汐見橋駅です。
しかし高野鉄道の事業はその後、高野登山鉄道に譲渡され、さらに高野登山鉄道は南海電鉄と合併します。
こうした流れのなかで、ターミナルは南海電鉄の拠点であるなんば駅へと移り、さらに南海本線、南海高野線の立体化事業により、1985年には高野線の岸里玉出駅以南と線路が分断してしまいます。
そして現在、汐見橋線は、起点の汐見橋駅、終点の岸里玉出駅とも、どの路線とも乗り入れることなく、独立した路線となってしまったのです。
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