「巨大なトヨタ車」がアメリカ市場を席巻している理由とは? 「カローラ」より売れている大型ピックアップトラック「タコマ」って何が魅力?
「カローラ」さえも上回る驚愕の販売台数
いつの時代も、アメリカでは大型ピックアップトラックに対するニーズが高いのですが、先日、発表された北米トヨタの第1四半期の販売状況でも、それが証明されました。というのも、2024年に発売された現行「タコマ」がマーケットを席巻していたのです。

3月の販売台数は、前年同月比188.2%増となる2万3949台を記録。第1四半期全体でも177.5%増と、衝撃的な成長を遂げています。
この大躍進により、「タコマ」は「RAV4」(4万1509台)と「カムリ」(2万9661台)に次ぐ、トヨタ第3位の座を獲得。長年人気を誇る「カローラ」(2万1495台)をも上回る快挙を成し遂げたのです。
「タコマ」の躍進は、SUV全盛時代にあってもピックアップトラック市場の底堅さを証明するものでしょう。
2024年にフルモデルチェンジされた現行モデルは、洗練されたデザイン、改良された走行性能、そして充実した安全装備で顧客の心をつかんでいるのでしょう。
●アメリカ市場は依然としてピックアップを求めている
一方、かつての主力モデルであった北米でのセダン市場は、全体的に苦戦が続いています。
トヨタでは、「カムリ」と「カローラ」は依然として好調な販売台数をキープしているものの、前年比では減少傾向にあります。久しぶりに北米上陸を果たした「クラウン」(日本の「クラウン・クロスオーバー」)も同66.8%減です。
またスポーツカー部門は、全般的に苦戦を強いられています。それはトヨタも同様で、「GR86」は前年同月比16%減となる1146台、「GRスープラ」も同11.4%減の179台となっています。
その点、トヨタでは「プリウス」が同77.4%増と、復活の兆しを見せています。環境意識の高まりと燃料価格の上昇が追い風となっているようです。実用性と環境性能を重視した「プリウス」の復調は、自動車マーケットの方向性を示唆しているのでしょうか?
SUV全盛時代だけあって、SUV部門は軒並み好調。トヨタでも、電気自動車の「bZ4X」が値下げ効果もあってか同102.9%増の1678台と好調。手頃な価格帯の「カローラクロス」も同39.8%増と好調です。
ちなみに、新型車が投入された250系の「ランドクルーザー」は、同期に5860台のセールスを記録。往年の名車の復活に期待が集まります。
一方、ミニバンの「シエナ」は同73.5%増の9033台と健闘。ファミリー層からの根強い支持を集めているのでしょうか。
なおトヨタは、3月にトータル19万6240台(前年同月比6.6%増)の販売を記録しましたが、第1四半期累計では48万7226台と0.1%増にとどまっています。もしかしたらマイナス成長となっていた恐れもあるため、「プリウス」や「bZ4X」の好調ぶり、そして「タコマ」の大躍進は朗報となったことでしょう。
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どうやら私たちが思っている以上に、アメリカ市場はまだまだピックアップトラックを求めているようです。SUV全盛といわれていますが、「タコマ」のような正統派のピックアップトラックがこれほどの支持を集めているのは興味深いですね。
そして、「タコマ」での成功体験をどのようにして他のモデルへと波及させるか? これがこの先、トヨタの北米市場でのセールスを左右するカギとなりそうです。
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