「ウインカー出したつもりが…ワイパー作動」なぜ“右ハンドル”なのに外車は左ウインカー? 日本車と輸入車が違う理由とは
日本車と輸入車で違うのは「規格」と「歴史」
日本車のウインカーレバーは右手側にあり、輸入車は左手側にあります。これが基本となっているのですが、右ハンドルの国・イギリスのクルマもウインカーレバーは他の左ハンドル車と同じように左にあります。なぜ日本だけウインカーが右にあるのでしょうか。

日本車だけウインカーレバーが右側となっている大きな理由は「規格」にあります。日本車はJIS(日本工業規格)に沿っていて、この規格によりウインカーが右でワイパーが左と決まっています。対して輸入車はISO(国際標準化機構)に準じているため、左ウインカーとなっているのです。右ハンドルのイギリス車でも左ウインカーなのは、規格が異なるからなのです。
ISOは国際規格で、JISは日本ローカルな規格。この規格の違いがウインカーレバーの位置の違いとして表れています。そのため、海外で販売されている日本車は左手側ウインカーになっていることがほとんどです。
ではなぜ、日本と海外で規格が異なってきてしまったのでしょうか。そこには、やはり歴史的な背景があるとされています。自動車が登場したのは今から100年以上も前ですが、現在のような電気式のウインカーが普及したのは1950年代に入ったころからと言われています。
19世紀前後の黎明期のヨーロッパの自動車は、右手で操作するシフトレバーが時代の技術的に運転席から届く車外に装着されていて、右側にハンドルもレイアウトされているクルマも多くありました。これは、力が必要なギアチェンジを、多くの人の利き手となる右手で行うためにレイアウトしたという理由があったそうですが、これが後々の歴史で、ヨーロッパ車を中心とした諸外国のクルマが「右手シフト」となった理由と言われています。
この右手シフトをキープするために、左手ウインカーがスタンダードとなったと言われているのです。そのような歴史的な背景が理由であれば、右ハンドルのイギリス車でも左手ウインカーとなっているのは納得がいきますね。
日本で右ウインカーが主流となっているのは、やはり左側通行となっていることが大きな理由でしょう。日本では車外にシフトレバーが配置されていた時代には、まだ自動車はほとんど普及していなかったので、右手シフト生まれから誕生した左ウインカーという図式も、規格のような強制力がなかったのでしょう。左側通行ならば「右ハンドル」「左手シフト」「右ウインカー」が最も合理的となります。
なお、日本市場で受け入れてもらうために、あえて右ウインカーを採用している輸入車ブランドもあります。近年では、BYDやヒョンデなどのブランドが右ハンドルと右ウインカーを採用しています。過去には、アメリカのGMが製造した「キャバリエ」がトヨタブランドで販売され、右ハンドルと右ウインカーを採用することで、日本市場に対応していました。
歴史が変われば道路環境も変わり、道路環境が変われば操作類も変わってきます。右手側ウインカーレバーと左手側ウインカーレバーの違いからは、そうした歴史的な違いを改めて感じさせてくれます。
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