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えっ、何てスーパーカー!? 14年前の「謎フェラーリ」がオークションに登場 社内で「F150ムレットM4」と呼ばれていた“プロトタイプ”とは

ラ・フェラーリ開発の第1段階モデル

 米国カリフォルニア州モントレーで開催されるRMサザビーズのオークションに、2011年型のフェラーリ「ラ・フェラーリ プロトタイプ M4」が出品されます。

 どんなクルマなのでしょうか。

オークションに出品される2011年式フェラーリ「ラ・フェラーリ プロトタイプM4」(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品される2011年式フェラーリ「ラ・フェラーリ プロトタイプM4」(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

 2013年に発表された「ラ・フェラーリ(La FERRARI)」は、499台+オークション用1台が限定生産された、フェラーリのハイブリッド スーパーカーです。

 そのパワートレーンには、KERS(キネティック・エネルギー・リカバリー・システム)という、F1からフィードバックされたハイブリッド駆動システムの導入が進められていました。

 フェラーリは、この開発に「F150」というプロジェクト コードを割り当て、テストを行っていました。

 その開発の第1段階のモデルが、ここで紹介するプロトタイプ「M4」です。

 フェラーリ社内では「F150 ムレット(イタリア語で代役の意味)M4」とも呼ばれていました。

 458イタリアと同じティーポF142プラットフォームをベースに、アルミニウム製シャシをハイブリッドF140 V12エンジンに対応するよう改造していました。

 自然吸気のV12エンジンそのものは、現在の12チリンドリなどに搭載されているものと基本的に同じで、ラ・フェラーリの総合出力949馬力のうち、789馬力を発生しました。

 プロトタイプ M4のインテリアは458イタリアとほぼ同じデザインでした。

 コクピットには黒いレザーシートと茶色のカーペットを備え、インパネには9000rpmがレブリミットの白いタコメーターが備わっていました。

 ですが、ダッシュボードのトグルスイッチと、ステアリングホイール中央のキャヴァリーノ バッジの上に貼られた高電圧警告ステッカーが、このクルマの実験的な性格を暗示していました。

 外観は、このクルマがフェラーリの秘密開発車両であることを物語っていました。

 露出したリベット、妙に長いエキゾーストエンド、ホイールのセンターキャップはなく、エンジンフードのサイドハッチ、前後で不揃いのブレーキが目をひきました。

 それ以上に、マットブラックのボディカラー、巨大なフロントのエアインテーク、トランクリッドに追加された冷却口、コクピット後ろに高くセットされたエアインテークなどが、ただならぬ雰囲気を醸し出していました。

 それでも、ヘッドランプやテールランプ、ミラー、そしてフロントフェンダーに埋め込まれたフェラーリのエンブレムは、458イタリアのパーツを流用していました。

 このプロトタイプ M4は2011年5月から2012年12月の期間で開発を完了し、フィオラノのテストコースや周辺道路でテストしている姿が確認されました。

 2013年に量産車のラ・フェラーリが発売されるにあたり、この開発車両は特別な顧客の手に渡りました。

 ただし、公認車両ではないので公道走行用に登録することはできず、また一般のレースコースでの使用も禁止されていました。

 とはいえ、このラ・フェラーリ プロトタイプ M4がフェラーリおよびハイブリッド ハイパーカーの歴史において、極めて興味深く重要な存在であることは間違いありません。

 それゆえ、展示されるたびに多くの注目を集めるでしょうし、フェラーリ コレクションの1台としては素晴らしいものになるでしょう。

 この2011年型のフェラーリ ラ・フェラーリ プロトタイプ M4、オークションでの落札価格は、90万USドル〜120万USドル(1USドル=約147円として、約1億3230万円〜約1億7640万円)と予想されています。

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