「レンジが変わると、人生変わる!?」象印「EVERINO(エブリノ)」は熾烈な電子レンジ競争を勝ち抜き“10%の壁”を越えられるか?――家電で読み解く新時代|Case.12

ツインエンジンと金属製角皿、象印流テクノロジーでレンジ革命
新型EVERINO30Lモデル最大のトピックは、何と言っても「ツインエンジン構造」の搭載だ。
本体の底面と奥面からマイクロ波を出すよう底に計2つのマグネトロン(=レンジ加熱用エンジン)を備え、それぞれ個別制御できるこの構造は、国内家庭用オーブンレンジでは業界初となる。
総庫内容量30Lクラスの大型レンジでは、従来エンジン1基では庫内隅々までムラなく加熱するのが難しいという構造的課題があった。象印はそこに敢えてメスを入れ、2方向からマイクロ波を当てるレンジ革命に挑んだのである。
ツインエンジンが実現する二方面からのレンジ加熱によって、「あたためムラ」を大幅に抑え、あたため時間の短縮にもつなげている。
実際、パッケージ記載通りの加熱設定をした後に「Wレンジ」キー(Wエンジンは同時/交互を制御し、効率加熱で実使用の総電力量はむしろ短時間化で相殺できる設計)を押すと、自動で所要時間を短縮してくれる仕組みだ。
例えば500W設定の温めなら約30%、600W設定でも約20%も時短できるという。忙しい朝に弁当を温め直す時、「ちょっとでも早く終わってほしい」という願いをかなえてくれる心強い機能だ。

さらにEVERINO ES-LA30には、象印独自開発の金属製角皿(かくざら)が付属する点も見逃せない。
この角皿をセットすれば庫内を上下2段に仕切ることができ、一度に最大4品の温めが可能になる。上段・下段に別々の温度設定もできるので、ご飯とおかずを同時に温めても両方ちょうど良い温度に仕上がる。
冷凍食品でも上下で2品同時温めでき、「まるでレンジ2台分」の効率とアピールされる。
通常レンジ加熱で金属皿を使うとスパーク(火花)が起きるため御法度だが、象印の角皿はスパークを起こさない厚みのアルミ素材に、庫内接触部を樹脂で囲む工夫で安全性をクリアした。
現場の発想で技術的ハードルを乗り越えたこのアイデアも、他社製品にはないEVERINOならではの強みだ。
こうした独自技術から生まれたあたため、調理機能の数々は、電子レンジの基本機能をまさに本質から磨き上げたものだ。
“W(ダブル)レンジ”機能では、庫内全方位からムラを抑えて加熱できるので、例えば煮物や煮込み料理も短時間で味がしみる。
さらに赤外線センサーで食材表面温度を見張りながら、2方向から優しく連続加熱する“すごはや解凍”も搭載。
500gのひき肉を約6分で“ホロホロ”に解凍でき、しかも半解凍モードなら刺身用のサクも包丁で切りやすい絶妙な固さに仕上げられるという。象印が得意とする緻密な温度コントロール技術が、ここでも存分に活きている。

「毎日使える」を極める起点はユーザーの不満
技術のひらめきや新規性以上に、EVERINO開発を語る上で重要なのはユーザーの声に徹底的に耳を傾けた点だ。
象印 取締役 執行役員 生産開発本部長の山根博志氏は「『こんな技術があるから作ろう』ではなく、生活者の視点に立ち、生活者のニーズから商品開発を進めることが象印のものづくりのベース。本当に使ってもらえるオーブンレンジを作るために、お客さまの話をじっくり聞いて、機能や性能、サイズにいたるまで検討を重ねました。だからこそ日常生活で使ってもらえる良い製品ができたと自負しています」と述べている。
事実、象印は市場参入にあたり自社調査やヒアリングを重ね、「多機能オーブンレンジを使いこなせない」という不満が非常に多いことを突き止めた。
購入前は「調理時間の短縮」「レパートリーが広がる」と期待していた消費者が、実際には「思ったほど時短できない」「結局レンジ機能(温め)しか使わない」というギャップに直面しているというのだ。
またオーブンやグリル調理への不満では「ムラがあり美味しくできない」が77%、「時間がかかる」「操作が複雑」といった声も多数だった。
これらのリアルな声が、EVERINOの機能設計に直結している。先述のツインエンジン構造によるスピード温め・解凍はもちろん、レンジとグリルを自動リレー調理する“レジグリ”機能もその一つだ。
例えば手ごねハンバーグ4人分なら、通常オーブン調理で最低でも約20~25分程度かかるところを、レジグリなら約15分で裏返し不要に焼き上げられる。
page
VAGUEからのオススメ
“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】