「えっ、これディアブロ!?」ド派手なエアロとツインターボ化で魔改造 スイスのチューナーが手がけた世界10台限りの「スペシャルなランボ」とは
アフォルター独自の「エボリューションGTR」仕様
2025年11月にスイス・チューリッヒで開催されるオークションに、1993年式ランボルギーニ「ディアブロ・エボリューションGTR」というモデルが出品される予定で、話題となっています。
どんなクルマなのでしょうか。

1990年代のスーパーカーブームの最盛期に登場したローラン・アフォルター氏は、その時代を象徴する大胆不敵なチューナーのひとりでした。
彼のスイスのディーラー「ガレージR・アフォルター」は、当時のランボルギーニ・ディアブロでさえ「まだ刺激が足りない」と感じる顧客たちのために、限界を超えたチューニングを施すことで知られていました。
空力性能を徹底的に追求したアグレッシブなエアロキットから、GT1仕様のようにV12エンジンへツインターボを加え、620馬力を発生させる究極のチューンまで、アフォルターの手掛けるモデルは常に常識を覆す存在でした。
今回オークションに出品予定の「エボリューションGTR」は、まさにその大胆なスイス仕様が隆盛を極めた時代の代表作です。
シャシナンバー12855のディアブロは、1993年3月31日にイタリア・サンタアガータのランボルギーニ本社工場を出荷し、「ジャッロ・フライ(イエロー)」のボディに「ネロ(ブラック)」のレザーインテリアを組み合わせた仕様で誕生しました。その後、チューリッヒ在住のオーナーに納車され、4月3日付で保証が開始されています。
その後、この車両はアフォルター独自の「エボリューションGTR」仕様へとコンバートされました。
固定式ヘッドライトやルーフエアインテーク、可変式リアウイング、彫刻のように造形されたバンパーとサイドスカート、3ピースモジュラーホイール、そして4本出しのエキゾーストなど、当時のアフォルター・チューンを象徴する装備が施されています。
2000年6月に撮影された当時の写真では、ボディカラーは純正色「ジャッロ・スパイダー」に近いメタリックイエローで仕上げられ、ボンネットとサイドに「GTR」および「Garage R. Affolter」のロゴが入っており、スイスのナンバー「VD 87024」を装着していたことが確認できます。インテリアはブラックとホワイトのツートーン・アルカンターラ仕上げに変更され、ヘッドレストには「Evolution GTR」の刺繍が施されていました。
そして2025年、このディアブロはフルレストレーションを受け、新たに「SE30」仕様で採用された人気色「ヴィオラ(パープル)」のボディに、大胆なブルー・アルカンターラのキャビンを備える姿へと生まれ変わりました。
当時を彷彿とさせる“テレフォン・ダイヤル”デザインのホイールもボディカラーに合わせて仕上げられ、1990年代らしい華やかさを保ちながらも、コンコールレベルの完成度を誇っています。
また走行距離はカタログ掲載時点で3万3824kmを示しています。
純粋な後輪駆動モデルをベースに、スイス随一の個性派チューナーが仕上げたこのディアブロ12855は、当時特有の“過激なカスタマイズ文化”を象徴する一台として、いま改めてコレクターの注目を集めています。
この1993年式ディアブロ・エボリューションGTR、予想落札価格は35万スイスフランから45万スイスフラン(1スイスフラン190円換算で、日本円で約6670万円から約8575万円)とされています。
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