特注カラーと専用装備が光る希少な個体

　今回出品された個体は、2024年式の「750S スパイダー」で、アメリカ・ニューメキシコ州で登録されたワンオーナー車です。走行距離は3400マイル（約5500km）。エンジンオイル交換やエアコン修理なども実施され、整備履歴が残る良好なコンディションです。

　最大の特徴は、マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ（MSO）による「グロス・トーキョー・パール」の特注ボディカラーです。このボディカラーは1万2000ドル以上の追加費用をかけて選ばれたもので、通常ラインナップには存在しない専用のホワイトパール塗装となっています。

　さらに、カーボンファイバー製フロントフェンダーやルーバー、ミラーキャップ、ドアシルなど、MSOビスポークによるパーツが多数採用されています。外装の随所に見られるカーボンの質感は、レーシングカー譲りのテクノロジーと美しさを感じさせます。

　ホイールはグロスブラック仕上げの20インチ「ボルテックス」デザインで、足元を引き締めるピレリPゼロタイヤを装着。

　ブレーキキャリパーもボディカラーと同じトーキョーパールに塗装され、統一感のある外観に仕上げられています。制動はカーボンセラミックローターと6ピストンキャリパーにより高い制動力を発揮します。

　インテリアは「アラスカホワイト」「アンデサイトブラック」「ジェットブラック」にトーキョーシアンのアクセントを加えた3トーン仕様。

　カーボンファイバーの装飾や、ボワーズアンドウィルキンス製オーディオシステム、スーパーライトウェイトシートなど、贅沢な装備が与えられています。

　なお、この個体の新車時価格は50万2342ドル（約7500万円）に達し、オプション総額だけでも14万ドルを超える内容でした。

　オークションでは14件の入札が行われ、最高入札額は38万ドル（約5700万円）に達しましたが、出品者の設定したリザーブ価格には届かず、落札には至りませんでした。

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　マクラーレン750S スパイダーは、720Sからさらに洗練されたデザインとパフォーマンスを備えた現行スーパーカーの中でも注目度の高いモデルです。

　今回出品された特注仕様車は、MSOによる細部までこだわり抜かれた1台であり、唯一無二の存在といえます。

　今回のオークションでは落札に至らなかったものの、市場に出回る機会が限られるため、今後も高い人気が維持されそうです。