「マジか!」アイルトン・セナが母国GPで初優勝したホンモノの「マクラーレンホンダ」がオークションに登場 伝説の「MP4/6」の気になる予想価格とは
V12エンジンとMTで戦った最後の時代のF1マシン
UAE(アラブ首長国連邦)のドバイで開催されるRMサザビーズのオークションに、1991年のF1グランプリに参戦したF1マシン「マクラーレン MP4/6」が出品されます。
どんなクルマなのでしょうか。

このマクラーレン MP4/6は、1991年のブラジルグランプリで、あのアイルトン・セナ選手が駆って優勝したマシンです。
セナは、このマシンで歴史的な初の母国勝利を遂げました。
それまでにセナは7回も母国での勝利を逃してきました。
このレースでポールポジションを獲得したセナでしたが、レース後半にトランスミッションのトラブルに襲われました。
しかも雨がひどくなるレースの中、セナは6速ホールドのままでマシンをコントロールし、念願の母国優勝を遂げたのでした。
それはまさに、F1史上最高のドライバーのひとりによる、超人的な走りのパフォーマンスでした。
セナは後に語りました「自分の国で、こんなに喜ぶ人々を見られて本当に良かった。人生最高の勝利ではなかったが、最も苦闘した勝利だった…」と。
マクラーレンは1991年、ドライバーズとコンストラクターズの両チャンピオンとなり、セナは3度目にして最後のドライバーズタイトルを獲得しました。
シーズン終了後、役目を終えたシャシMP4/6-1はマクラーレンの工場に帰り、ほぼ30年間、保管され続けました。
※ ※ ※
このシャシMP4/6-1はセナに母国初勝利をもたらしただけでなく、シリーズ最初のモデルでした。
1991年2月にエストリルでゲルハルト・ベルガー選手がテスト走行を行い、その後セナもステアリングを握りました。
このマシンは、チーフデザイナーであるニール・オートリー氏による傑作と言われています。
720馬力を発生し、1万3800rpmという驚異的な回転数まで達するホンダ製の新型3.5リッターV12エンジンを搭載し、6速マニュアルトランスミッションと組み合わされました。
モノコックシャシとボディワークはカーボンファイバー製でした。
デビューから35年が経った今でも、MP4/6はF1史上もっとも称賛された時代の象徴として輝き続けています。
8回のグランプリ優勝とドライバーズ/コンストラクターズ両選手権の同時制覇を成し遂げたMP4/6は、マクラーレンが現代のレース史で最も輝かしい成功を収めた時代の幕開けと終焉を飾りました。
そしてセナに最後のワールドチャンピオンをもたらしたマシンとして永遠に記憶されています。
また、マニュアルトランスミッションとV12エンジンがF1グランプリを制した最後の時代を象徴するマシンでもあるのです。
そんなマシンがマクラーレンの工場から放出され、2020年に今回の出品者が取得しました。
このマシンは、マクラーレン ヘリテージによりレース可能な状態に完全に整備されています。
マクラーレンの純正認証書や外部スターター、燃料供給ポンプ、エンジン予熱装置など、指導に必要な装備一式が付属しています。
今もなお伝説のドライバーとして崇拝されているアイルトン・セナが、もっとも苦闘して母国初勝利とつかんだマシン、MP4/6-1。
それから3年後に、彼は悲劇的な事故でこの世を去ってしまいました。
唯一の個人所有者が出品するMP4/6-1は、これまでに販売されたF1マシンの中で、もっとも重要かつ記憶に残るものの1台でしょう。
この1991年シーズンのF1マシン、マクラーレン MP4/6のオークションでの落札価格は、1200万USドル〜1500万USドル(1USドル=約154円として、約18億4800万円〜約23億1000万円!)と予想されています。
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