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当時スーパーカー世代は“カウンタック派”と二分された 41年前のフェラーリ「512BB」がオークションに登場 20年以上一人のオーナーに愛された極上の「赤いフェラーリ」最終進化版とは

時代を超えた官能 ベルリネッタ・ボクサーが築いた伝説

 2025年10月、アメリカのオークションサイト「Bring a Trailer」で1984年式のフェラーリ「512BBi」が発見されました。

米国オークションサイトに出品、落札された1984年式フェラーリ「512BBi」
米国オークションサイトに出品、落札された1984年式フェラーリ「512BBi」

 512BBiは、1970年代から1980年代にかけて生産された「ベルリネッタ・ボクサー(BB)」シリーズの最終モデルです。

 1971年のトリノ・モーターショーで初登場した「365GT4 BB」は、フェラーリ市販車として初めてミッドシップレイアウトを採用。当時の象徴であったフロントエンジンの「デイトナ」から、よりレース志向の構成へと大きく舵を切ったモデルでした。

 その進化形として1976年に登場した「512BB」は、4.9リッターの水平対向12気筒を搭載し、340馬力を発生。

 最高速度は約280km/hに達し、ライバルであったランボルギーニ「カウンタックLP400」と肩を並べる性能を誇りました。

 ピニンファリーナのレオナルド・フィオラヴァンティ氏が手がけたデザインは、低く構えたノーズと流れるようなウェッジシェイプが特徴で、当時のスーパーカー像を決定づけた存在といえます。

 そして、その最終進化版が1981年のフランクフルト・モーターショーで発表された「512BBi」です。

 キャブレターに代わってボッシュKジェトロニック燃料噴射を採用し、排出ガス規制への対応とともに、より滑らかなレスポンスを実現しました。

 総生産台数はわずか1007台。北米では正規販売されなかったため、当時の愛好家たちは“グレーマーケット”を通じて手に入れたといいます。

 鋼管チューブラーフレームの上に、スチール製キャビンとアルミ製の前後クラムシェル、FRP製の下部パネルを組み合わせた構造も特徴的でした。

 軽量で高剛性、そして美しいという、フェラーリらしい哲学が宿った構造です。

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