「大盛り!」って言いたくなる…“ハヤシライス発祥の店”で味わう日本橋「MARUZEN café」の早矢仕ライスとは? 【何度でも行きたい町洋食#14】
これを食べないことには始まらない。「ポーク早矢仕ライス」
日本橋高島屋の向かいにあり、東京駅からも徒歩圏内にある「丸善」。創業156年を誇る老舗書店には、誰もが知る名物があります。それが「早矢仕ライス」。
店内にある「ハヤシライスの生みの親<早矢仕有的>」と書かれた説明を見ると、
『幕末か明治の初年のことであろう。友人が訪問すると、有的は有り合わせの肉類や野菜類をごった煮にして、飯を添えて饗応するのが常であった。そこから人々はこの料理を”早矢仕ライス”といい、ついにはレストランのメニューにまで書かれるようになった』と書かれています。

ハッシュドビーフが日本に来て訛ってハヤシライス、ではなく、早矢仕さんが作ったからハヤシライスだったんですね。驚きです。ちなみに、レシピは当時と同じなのか店長に聞くと、
「いえ、当時の早矢仕ライスは、今のハヤシライスの原型となったもので、レシピは変わっております。当店の早矢仕ライスはチャツネが入っているので、甘味が強めなんですよ」とのこと。
チャツネ入りの甘いハヤシライス、それは楽しみです。由来がわかったところで、MARUZEN caféおすすめの3品を紹介します。
MARUZEN café 日本橋店のシグネチャー的存在、ポーク早矢仕ライス。赤茶色のツヤツヤとしたハヤシのソースがかかっています。平日15時までランチタイムはサラダとドリンクがセットになっています。

いざ味わってみると、濃厚かつじんわり甘い。シチューともハッシュドビーフとも違う、そして一般的なハヤシライスよりも重厚感のある味わいです。
ちなみにランチタイムは、早矢仕オムライス1880円やビーフカレ−1680円など5種類からセレクトできます。
ビーフの旨みがしっかり感じられる「プレミアム早矢仕ライス」
2品目は、ポークではなくビーフの早矢仕ライス。
「牛肉とタマネギをふんだんに入れているんですよ。牛肉のコクが出て、食べ応えのある味わいになっています」

確かに食べ比べると、味の違いを感じます。ポークの早矢仕ライスは、ソースの旨み、コクが最初にやってきたけれど、牛肉の早矢仕ライスは、牛肉の旨みやタマネギの甘みも加わり、さらに奥深い美味しさに。
果たしてこのゴハンの量で足りるのか。ゴハンをおかわりしたくなる、しっかりとした旨みの早矢仕ライスです。
ちなみにライス大盛りは+150円。ルー大盛りは+200円。個人的には、最初からライス大盛りで注文するのをお勧めします!
トロトロの玉子と早矢仕の贅沢な味わい「早矢仕オムライス」
白いゴハンにフルフル、トロトロの玉子、そして両サイドに早矢仕ライスをかけた「早矢仕オムライス」。黄色と赤褐色のハヤシとのコントラストも美しい一品です。

ちなみに、プレミアム早矢仕オムライスは1880円、早矢仕とカレーの2色オムライスの場合1820円になります。
「オムライスの場合、中はチキンライスが多いと思いますが、当店では早矢仕の邪魔をしないよう、中は白いご飯になっています」。
旨みがしっかりしたハヤシがあればゴハンは逆に何もしない方がいい、ということですね。確かに納得です。
大きな書店の一角にあるカフェ。日本橋のメインストリート沿いで、一歩外に出れば多くの人で賑わっているにも関わらず、中はとても静か。
「そうなんですよ。日本橋とは思えない落ち着いた空間なので、ぜひゆっくり過ごしてもらいたいですね」と鈴木さん。

1階や2階で本を選んで、3階のカフェで早矢仕ライスを食べて、食後に読書を満喫したら、帰りに続巻を買って帰る、なんてできたら素敵だなぁ。
早矢仕ライスも美味しかったけれど、日本橋で落ち着いた空間、静かに過ごせる場所を見つけたことも、嬉しくなるカフェでした。
MARUZEN café 日本橋店
住:東京都中央区日本橋2-3-10 日本橋丸善東急ビル3階
TEL:03-6202-0013
営:9:30〜20:30 (フード19:30LO、ドリンク20:00 LO)
休:元日
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