ポルシェのレストア…正体はトラクターだったことも!? ポルシェ×東大先端研「LEARN with Porsche」同窓会で見た“子どもたちの成長”【Behind the Product#38】
“受験社会へのアンチテーゼ”に触れて変わった子どもたち
ポルシェジャパンと東京大学先端科学技術研究センター(以下、東大先端研)とのパートナーシップにより展開されているスカラーシップ「LEARN with Porsche」。
2021年にスタートしたユニークな「LEARN with Porsche」では、旅をテーマに学びを考える「サマープログラム」と、ポルシェ製トラクターのレストアを通じてものづくりの面白さを体感する「ものづくりプログラム」が夏休み期間中に実施されています。
中高生を対象とした両プログラムへの参加者がトータルで70名を超える中、2026年3月23日にはこれまでの参加者を対象とした「LEARN with Porsche」同窓会が東京・駒場の東大先端研で開催されました。
当日は、全国各地より28名が会場となる東大先端研のENEOSホールに集合。オンラインでも国内外から6名が出席するなど、これまでの参加者たちのほぼ半数が元気な姿を見せてくれました。進級や進学をひかえる多忙な季節でしたが、こうした参加者の多さからも皆の「LEARN with Porsche」に対する愛着が感じられます。
会場で参加者たちは、思い思いに交流を図ったほか、東大先端研の研究室を見学したり、「30年後、君たちはどこで何をしているだろう?」というテーマのディスカッションに挑んだりしました。
単にワイワイと近況報告するのではなく、しっかりとアカデミックな時間が設けられる辺りは、旅やものづくりを通じて子どもたちの“気づき”や“突破力”を培う「LEARN with Porsche」らしい同窓会といえます。

筆者(村田尚之)はこれまで5つのプログラムに帯同してきましたが、ディスカッションでは「LEARN with Porsche」の参加者たちが、“あの夏”よりもさらに成長していることを感じ取ることができました。
プログラムを牽引する東大先端研シニアリサーチフェローの中邑賢龍さん、特任助教の赤松裕美さん、そして、ポルシェジャパン広報部部長の黒岩真治さんらも、子どもたちの発言に耳を傾けます。
「私は受験社会をどう生き抜くかばかりを考えているタイプでした。それに対するアンチテーゼでもある『LEARN with Porsche』に触れたことで、『そういう考え方もあるのか!』、『私でもやっていけそうだ!』と気持ちに変化が起きました」(サマープログラム1期生)。
「天草の漁港でかまぼこづくりを体験しました。加工場で働く方のお話を聞き、作業をしていくうちに皆さんと親しくなり、最後は別れが惜しいほどに。人との関わり合いって簡単に切れてしまうこともありますが、何もないところから関係性を築くこともできるんだと実感しました」(サマープログラム4期生)
「印象的だったのは道東での農業と漁業の実体験。教科書では“農業”と“漁業”は分類されていると学ぶのですが、実際には漁業と農業は互いに恩恵を受け合っていて、強いつながりがあることを学びました。現場や現地へ実際に足を運んだからこそ感じられたことだと思います」(サマープログラム5期生)
一方、そうした優等生的な発言だけではない辺りも、「LEARN with Porsche」のスカラーシップ生たちの興味深いところ。なかには、プログラムの参加時に少なからぬ憤りや違和感を抱いた子どもたちもいたようです。
「ものづくりプログラムは“空冷ポルシェのレストア作業”をおこなうと聞いて、クルマ好きの自分は喜んで参加しました。でも、実際にレストアしたのがポルシェのトラクター……。さらに、“1馬力を知ろう”というプログラムでは“放牧されている馬をつかまえろ”という指令を出されるなど、唖然とすることも多かったです。そんな仕掛けに対し、自分はこれまでキレイなところだけを見てきた温室育ちだったことを自覚しました。もしもトラクターだと知っていたら、きっと参加しなかったと思います」(ものづくり1期生)
「僕らは旅の途中、漁業関係者や建設労働者の方に“偶然出会う”シーンがありました。でも僕は、それは偶然ではなく計画されていたことだと分かりましたし、正直“ちょっとクドいぞ”と違和感もありました。でもそれは、僕らに“人との出会いという非日常”を具体的に気づかせようというメッセージだったのだと今では感じています」(サマープログラム3期生)

「LEARN with Porsche」のプログラムに帯同していると、情報に頼らず「自分で考えろ」、「君たちはそこで何を見てきたのか?」と、ときに叱咤する先生たちに対し、厳しさを感じることがあるのも事実です。
しかし子どもたちは、現代の教育や人々の関係性、産業の構造をネットや参考書ではなく自らの目で眺め、身体を通じて直に触れることで、考え方や生き方に変化があったと振り返ります。
「LEARN with Porsche」は、期間中はもちろんのこと、後々も心や記憶に残る“気づき”や教訓を提供するプログラムであることがうかがえます。
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