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単なる時計にあらず! “カシオらしさ”を継承するギア「PRO TREK」とは? 「FIELD STYLE JAPAN」で見た最前線

高めた実用時計としての完成度

 近年、アウトドア市場は大きな変革期に直面しています。

 コロナ禍で爆発的に広がったキャンプブームは一段落し、現在は「登山」「釣り」「ランニング」へと興味が分散しているといいます。CASIOが展開する、アウトドアに特化した腕時計ブランド「PRO TREK(プロトレック)」の担当者によれば、ファミリーキャンパーだった層が次第に山へ興味を持ち始め、若年層の流入も増えているとのこと。単なる外遊びではなく、よりアクティビティー性の高いフィールドへユーザーが向かっていると話します。

FIELD STYLE JAPANのCASIOブース
FIELD STYLE JAPANのCASIOブース

 そういった流れのなか、プロトレックが強みとしているのが実用時計としての完成度です。2026年5月9日と10日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されたアウトドアイベント「FIELD STYLE JAPAN」で、CASIOブースを取材しました。

 特に印象的だったのは、トリプルセンサーによる情報取得の速さです。コンパス、気圧、高度、温度といったアウトドア環境で必要になる情報を、ボタン操作ひとつで即座に呼び出せます。右側の大型ボタンや左下のダイレクト操作系など、グローブ着用時でも扱いやすそうなUI(ユーザーインターフェース)は、いかにも現場発想から得たこだわりを感じさせてくれました。

 単に機能を積み上げただけではありません。たとえば目的地設定機能は、行きたい場所を登録すると、現在地からの方位と直線距離がリアルタイムで即座に表示されます。移動すれば表示も更新され、常にどちらへ向かえば良いのかが直感的に分かる仕組みとなっていました。

 スマートフォンでもナビゲーションは可能ですが、山では立ち止まってスマホを取り出す行為そのものがストレスになる場面もあります。そういう時、腕元を一瞬見るだけで方向を把握できるというのは、想像以上に実用的だと感じました。

 また、プロトレックの説得力を高めているのが過酷な環境での使用実績です。8000m峰登頂経験を持つ登山家の竹内洋岳氏がブランドアンバサダーとしてCASIOと長年協業し、トリプルセンサーVer.3などを実地検証してきました。

 スペックシート上の数字だけではなく、“本当に極限環境で使われている”という積み重ねは、アウトドアウオッチにおいて大きな意味を持ちます。単なるファッションギアではなく、命を預ける道具としての信頼性を再確認できるのが、今回のCASIOブースでした。

「脱映え」の流れのなかでもファッション性は意識

 とはいえプロトレックは、機能性だけでなくファッションとの接続も意識しています。

 担当者によれば、明るいパッションカラーは「ファッション映えする」と評価される一方で、プロトレックユーザーは年齢層が比較的高く、国内ではブラックやブラウン系などダークカラーの支持が根強いといいます。その一方、特にブラウンは、日本では「アウトドアらしい」「服に合わせやすい」と好印象なものの、海外ではネガティブな印象につながるケースもあり、地域ごとのカラー戦略も必要とのことでした。

プロトレックは機能性だけでなくファッションとの接続も意識している
プロトレックは機能性だけでなくファッションとの接続も意識している

 さらに、見やすさに対する価値観もユーザーごとに異なるそうです。デジタル表示を好む人もいれば、アナログ表示の視認性を重視する人もおり、アウトドアウオッチ市場が成熟する現在、単なるスペック競争ではなく、“どう使うか”の価値観に合わせた提案が重要になっているのかもしれません。

 ところでプロトレックは「値段が高い」と言われることもあるそうですが、実際に触れてみると性能は言わずもがな、バンドの質感やケースの剛性感も申し分ありません。物価高騰が続くなかでも、価格を抑えながらこの作り込みを維持している点には開発陣の意地を感じました。

 プロトレックは単なるアウトドアギアではなく、“カシオらしさ”を継承するプロのギアでもあります。G-SHOCKのさらに上位に位置づけられるMR-Gのような高級ラインとは異なり、プロトレックは“タフさ”というCASIOの根幹思想を担うシリーズです。

 近年プロトレックにはバイオマスプラスチックなどの新素材や、新型センサー技術を先行採用することもあり、ここで培われた技術が後に他シリーズへ展開されていくことも期待できます。つまり、プロトレックはフィールドを選ばない時計であると同時に、“カシオの実験場”とも言えるでしょう。アウトドア市場が“映え”から脱却しつつある今、プロトレックの存在感はむしろ増しているのかもしれません。

 時計というより自然と向き合うための装備。そんな言葉が似合う商品とブースでした。

Gallery 【写真】スマホにも負けない! ファッションとの相性も良い「PRO TREK」をじっくり見る
「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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