ANAのCAさんに聞いた! 長距離フライトで“正解の席”は? ミラノまでの旅を快適に過ごす「機内サバイバル術」
2週間のヨーロッパ出張、果たして無事にサバイブできるのか
2026年度下期から毎日運航(週7往復)への増便、が大きな話題を呼んでいるANAの羽田=ミラノ直行便。これまで他都市での乗り継ぎが必須だったイタリアへの旅が、この直行便の登場によって劇的に身近になりました。
今回は、この直行便をフルに活用し、ミラノ直行直帰で挑む「2週間の過酷なヨーロッパ出張」にチャレンジ。
長旅の疲れを現地に持ち込まず、到着直後から100%のパフォーマンスで動くために、往路約14時間のフライトをいかに快適な「調整時間」に変えるかが勝負となります。
そこで出発前に、ANAの現役CA(客室乗務員)や関係者の皆さんから直接伝授してもらった、目からウロコの「機内サバイバル術」を実際に試してみました。

1. 座席選択の「黄金ルール」と快適な空間の作り方
機内での快適性を左右する「エコノミークラスの座席選び」ですが、CAさんから非常に有益なアドバイスをいただきました。
「個人的にオススメなのは、『中央3列席の通路側』です。窓際だとお隣の方が寝ている時にトイレに立ちづらいですが、中央席の通路側であれば自分のペースでお手洗いに行くことができます」(青木)
実際にこの席を確保してみたところ、フライトの間、お隣に気を遣うことなく自由に動けて本当に快適でした。左右に挟まれたまま長時間のフライトは、本当に体力が削られますからね。
もし早い段階で座席指定ができるなら、「前方の足元の広い席や後方の席」、あるいは壁の前など前方に座席のない場所を指定するのもおすすめです。
最前列なら前方に気兼ねなく足を伸ばせますし、最後列の座席なら後ろの人を気にせずシートリクライニングを最大限に使えます。
今回、往復のフライトでどちらの席も体験してみましたが、個人的には後ろに誰もいない最後列は少し気が楽で、リクライニングを気兼ねなく使える安心感がありました。

2. 機内の乾燥・騒音をシャットアウトする「3つの神器」と温度調節ギア
14時間の長旅を乗り切るため、乾燥、騒音、冷えを克服するアイテムはカバンに仕込んでおきたいもの。ここからは、現役CAさんが語ってくれた、それぞれのアイテムと、大活躍した温度調節ギアを紹介します。
■「使い捨てホットアイマスク」で強制リラックス
「機内は乾燥しやすく照明も気になりますが、これをつけるだけで目元がじんわり温まり、一気に緊張がほぐれて深い眠りに誘われます。一回きりで捨てられるタイプなら、旅先で荷物にならない点も大変お勧めです」(金井)
使ってみると、じんわりとした温かさがまぶたを包み、機内の喧騒を忘れて一瞬で眠りに落ちることができました。ドライアイ気味の筆者としては、機内だけでなく、今回のイタリア旅行で総じて役に立ったアイテムです。
■水分補給に欠かせない「保温マイボトル」での温活乾燥対策
続いてアドバイスいただいたのが、「空の保温マイボトル」です。
「温かい飲み物をこまめに摂ることで内臓が温まり、乾燥対策だけでなく高いリラックス効果が得られます」(金井)
冷たい水ではなく、自分の好きなお茶を温かい状態で少しずつ口に含むことで、乾燥しがちな機内でも喉のコンディションを完璧に保つことができました。
実はこのマイボトル、機内だけでなく旅先でもものすごく重宝しました。というのも、イタリアやスイスなどのヨーロッパ圏は飲料水が割高なことが多く、エビアン1本で大体600円(ジュネーブではコーヒー1杯7フラン前後するほどの物価高)前後することも珍しくありません。
街中や駅など、安全な水が補給できる給水スポットで入れておくと、驚くほど便利で財布にも優しい最高の防衛策になります。
■騒音をカットする「イヤープラグ(耳栓)」による静寂
そして必須とも言えるのが、騒音対策となる「イヤープラグ」。これを装着するだけで、頭を締め付けられるような重い疲労感が残りにくくなります。
「機内のエンジン音や周囲の雑音は、自覚している以上に脳を疲労させます。耳栓で周囲の音を遮断することが、フライト中の疲労度を劇的に下げてくれます」(金井)
ところで余談ですが、特にこの騒音カットの重要性を痛感したのが帰りの便。
ヨーロッパ、特にイタリアでは、公共の場でも大声で話したり、スマホの動画を大音量で流したりしている光景を本当によく目にしました。実際に帰りのフライトでも隣席のあたりにかなり賑やかな一団がいて、少し気になっていました。
そんな時にANAのCAさんがこちらを気遣い、静かな環境になるようそっと働きかけてくれたのです。この阿吽の呼吸のような細やかな気配りには、本当に感謝しかありません。
■体温調節とクッションになる「ウルトラライトダウン」の汎用性
そして、最も重宝したのがユニクロなどの「ウルトラライトダウン」です。
「毛布も全身に掛けると暑くて起きてしまうので、足元だけ。上半身は、着脱がしやすいユニクロなどのウルトラライトダウンを着用して温度調節をします」(青木)
今回、温度調節はもちん、腰と椅子の間の隙間を埋めるクッション代わりにも使用。丸めたダウンを腰に当てることで、長時間のフライト中も快適な姿勢を保つことができたのはうれしい発見でした。
3. ギャレーでの「動的ストレッチ」と気分転換のスナック
フライトが10時間を過ぎて体が固まってきたと感じたときは、機内後方のギャレー(厨房スペース)付近へ移動します。
「ずっと座りっぱなしでいる必要はありません。ギャレーなどの少し広いスペースで、壁を軽く使ってストレッチをしたり 、肩甲骨を回したりしてみてください」(青木)
特に首周りと肩周りを回してほぐすこと。さらにやっておきたいのが「ふくらはぎ」です。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれる非常に重要な筋肉であり、滞りがちな下半身の血液を心臓へと送り返すポンプの役割を果たしています。

壁に手をついてアキレス腱を伸ばすようにしたり、足首を上下にグッと引いたり伸ばしたりするだけでも絶大な効果が得られます。
趣味のキックボクシングで鍛えた足でも、この長時間のフライトではさすがに通用しない…と思いきや、ギャレーでの数分間のストレッチは凝り固まった筋肉をほぐすのに絶大な効果がありました。
スクワットはさすがにやりすぎですが、寝ているときを除けば、1〜2時間に一回は立ち上がって屈伸運動くらいはしておきたいところです。さらに、ANAの長距離路線では、機内食のサービス時間外に、ギャレーにセルフサービスのスナックやドリンクが用意されています
ちょっと席を立って小腹を満たしたり、冷たいドリンクを手に取ったりする時間は、座りっぱなしのフライトにおける絶好の気分転換になります。
4. 有料オプションでさらに快適性を極める旅のティップス
もしフライトの快適性をさらに追求したいなら、ANAが提供するオプションサービスを利用するのも賢い選択です。
■有料事前座席指定サービス(※):通路側や窓側の席、あるいは乗り降りに便利な前方や足元の広い人気席(非常口に隣接する座席:片道 5,500円など)を、料金を支払うことで事前に指定・確保できます。
(「ダイヤモンドサービス」および「プラチナサービス」メンバーのお客様は、この事前座席指定料金がかかりません)
■有料ラウンジサービス(※):羽田空港国際線の「ANA LOUNGE」を、事前予約(1名あたり8,800円)で利用可能。(当日予約は1名あたり13,200円で利用可能)特に今回のような深夜発の長距離フライトの場合、一日の疲れをリセットしないまま機内に乗り込むことになります。
※対象航空券やご利用条件についてはANAHPをご確認ください

下手をすれば前日の起床から軽く24時間以上もお風呂に入れないまま現地に到着し、さらに滞在先(特に今回のようなヨーロッパのコンドミニアムやコリビングなど)の環境によっては、湯船のないシャワーのみの生活が待ち受けています。
万全のコンディションで取材をスタートさせるためにも、出発前にシャワーを浴びてさっぱりさせ、ラウンジ内の充実した温かい食事を済ましておくことは、機内に入った瞬間にすぐ深い就寝モードへ入るための最も確実な手段といえるでしょう。
異国の地で安堵をくれる、ANAならではの「おもてなし」
約14時間のフライトを終え、マルペンサ空港のゲートを抜けた瞬間、身体の軽さに驚き。
いつもはヨーロッパ取材というと到着時点でかなりヘトヘトなのですが、今回は到着直後から高いパフォーマンスを保ったまま、精力的に取材旅行をスタートさせられました。

* * *
そこから2週間の出張を終え、無事にすべて取材も終了し完全にホームシックになっていたとき、帰国便の機内にてCAさんが温かい笑顔で「おかえりなさい」と声をかけてくれました。
その一言が、どれほど嬉しく、また心からホッと安堵の気持ちにさせてくれたことか。
これこそANAの安心感。長旅の疲れが極限に達していたからこそ、復路の機内サービスやおもてなしは格別に身に沁みるものとなりました。
下期から毎日運航(1日1往復)に踏み切ることを発表している羽田=ミラノ直行便。移動中のコンディショニングをマスターし、日本の温かいおもてなしに守られながら旅をする。
到着したその日から最高のパフォーマンスで動き、仕事も旅も妥協なく楽しめるこの直行便は、ビジネスパーソンにとって単なる移動手段を超えた、心強い相棒になってくれるはずです。
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