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元F1ドライバーの愛車だったランボルギーニ「ミウラ」が高値で落札 予想価格を上回った1969年式「P400S」、その特別な来歴とは

元F1ドライバーのルネ・アルヌー氏の愛車

 ランボルギーニの伝説的なスーパーカー「ミウラ」の相場が、ここ数年で再び上昇しています。

 そんななか、2026年9月26日に開催された、RMサザビーズのチューリッヒ・オークションに登場した1969年式「ミウラP400 S」が、180万5000スイスフラン(日本円で約3億3900万円)で落札されました。

 予想価格は140万~160万スイスフラン。なぜこの個体は予想を上回る価格を付けたのでしょうか。

 ミウラといえば、1960年代に登場し、現在の「スーパーカー」というカテゴリーを確立した一台として知られています。ミッドシップに横置きされたV型12気筒エンジン、そしてベルトーネのマルチェロ・ガンディーニが手がけた低く流麗なボディ。その存在そのものが、当時のスポーツカーとはまったく異なるものでした。

 今回の個体は1969年式の「P400S」。P400を改良したモデルとして1968年に登場し、カムシャフトやキャブレターなどを変更することで、3.9リッターV12の最高出力を365馬力まで高めています。

 P400Sの生産台数は338台とされ、今回のシャシ4103はその初期仕様にあたります。

オークションに出品され高値で落札された1969年式ランボルギーニ「ミウラP400S」Simon Gosselin(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品され高値で落札された1969年式ランボルギーニ「ミウラP400S」Simon Gosselin(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 初期型ならではの特徴として、ブレーキにはベンチレーテッドではなくソリッドディスクを採用。さらにヘッドライト周辺のステンレス製ベゼルなど、後のモデルとは異なるディテールも備えています。

 そして、このミウラを語るうえで外せないのが、そのオーナー歴です。

 1969年5月29日に完成したシャシー4103は、フランスのディーラーを通じて新車として販売されました。最初のオーナーはパリ在住のポール・フェランディ氏。その後、フランスの企業オーナーなどを経て、F1ドライバーのルネ・アルヌーの手に渡ります。

 アルヌーはルノーF1時代に4勝を挙げ、その後フェラーリにも移籍。1983年にはフェラーリで3勝を記録したドライバーです。

 今回のミウラは、まさにアルヌーがF1ドライバーとして活躍していた時期に所有していた一台でした。実際、当時の写真にもアルヌーとこのミウラが写っているといいます。

 さらにアルヌーは、このミウラをランボルギーニのファクトリーに送り、1年間にわたるレストアを受けたと伝えられています。その後、アルヌーから次のオーナーへと渡り、現在はスイスに拠点を移しています。

 今回の個体は、ボディカラーが工場出荷時と同じロッソ・コルサ、インテリアはネロのビニールにベージュのヘッドライナーという組み合わせ。エンジンもマッチングナンバーを維持しており、ボディパネルも大部分がオリジナルです。交換されたことが確認されているのはリアのエンジンカバーのみとされています。

オークションに出品され高値で落札された1969年式ランボルギーニ「ミウラP400S」Simon Gosselin(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品され高値で落札された1969年式ランボルギーニ「ミウラP400S」Simon Gosselin(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 近年のミウラ相場を過去のRMサザビーズオークションで調べてみると、2026年にはP400Sで187万5000ドル、259万ドルといった落札例があるほか、P400では303万ドル、P400SVでは467万5000ドルという結果も出ています。

 つまり、ミウラそのものがコレクターズカーとして高い評価を受けている状況です。

 そのなかで今回のP400Sは、希少な初期仕様であることに加え、マッチングナンバーのV12、工場出荷時のカラー、そしてF1ドライバー、ルネ・アルヌーが所有していたというストーリーを持っています。こうした「クルマそのものの価値」に「誰が所有していたのか」という物語が加わったことが、予想価格を上回る180万5000スイスフランにつながったと考えられます。

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