初期生産型「F40」を発見 希少な「ノンキャタ・ノンアジャスト」仕様 LM仕様に“改造”され日本でも過ごした「赤いフェラーリ」の価値とは
走行距離は3万398km
このところ、フェラーリ「F40」のオークション価格が高騰しています。
そんななかRMサザビーズの「The London Auction 2026」に登場するのが、1988年型のF40です。
予想落札価格は180万~240万ポンド。1ポンド=約209円で換算すると、日本円で約3億7600万~5億160万円という価格帯が提示されています。
今回のF40が注目される最大の理由は、その「生産時期」です。
車台番号78623の個体は、1988年9月14日にマラネロで製造が開始され、12月13日に完成。ローマの名門ディーラーを通じて新車納車された欧州仕様車です。しかもRMサザビーズによれば、なんとF40の初期生産50台に含まれる個体。初期型ならではの特徴として、軽量なレクサン製スライディングウインドウを備えています。
F40は1987年のフランクフルトショーで発表され、当初はフェラーリ創立40周年を記念して400台程度の生産が予定されていました。しかし世界中から注文が殺到し、最終的には1315台が生産されました。
そのなかでも初期生産車は特別な存在です。
後期型では触媒や車高調整式サスペンションなどが採用されましたが、初期のF40にはそうした装備がなく、よりシンプルでレーシングカーに近い「ノンキャット・ノンアジャスト」と呼ばれる仕様が存在します。コレクターの間では、これこそF40本来の姿に近いとして高く評価されています。

もっとも、今回の個体は完全なオリジナル状態ではありません。
日本に渡った後、F40 LMを思わせる外装やレーシングシート、デジタルメーターなどが装着されています。ただし、エンジンと5速MTはマッチングナンバーを維持。現在の走行距離表示は3万398kmですが、オリジナルのオドメーターや記録は残っていないとされています。RMサザビーズは、工場出荷時のロードカー仕様へ戻すベースとしても魅力的だとしています。
そして、F40の相場そのものがいま異様なほど熱くなっています。
2025年8月にはRMサザビーズで、走行わずか360kmの1990年型F40が385万5000ドル(当時の為替で約5億円規模)で落札されました。さらに2026年8月のモントレーでは、わずか320マイルという1991年型F40が836万5000ドル、約13億円という驚異的な価格で落札。これはF40のオークション史上最高額です。
もちろん今回のF40は、そうした超低走行・著名オーナー付きの個体とは条件が異なります。それでも「初期生産50台以内」という希少性は非常に強力です。
2026年7月にも、モータースポーツ界の重鎮ジャン・サージュが所有し、ミケロットによる特別な改造が施された1990年型F40が360万5000ポンド、約7億5300万円で落札されています。
こうした相場を見ると、今回のF40に設定された約3億7600万~5億160万円という予想価格も、決して強気すぎるとは言い切れません。むしろ初期生産車という希少性を考えれば、入札が競り上がる可能性も十分にありそうです。
「エンツォ・フェラーリが最後に認めたフェラーリ」として知られるF40。そのなかでも、ごく初期に生産された一台が、いったいどこまで価格を伸ばすのか。今回のロンドン・オークションは、F40の現在の市場価値を占う意味でも非常に興味深い一台となりそうです。
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