半世紀前のフェラーリなのにわずか2オーナー 超希少な軽量ボディの「308GTB」がオークション登場 712台しか作られなかった“ヴェトロレジーナ”の価値とは
ボディにFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を採用した軽量仕様
フェラーリのV8スポーツカーといえば、いまや「F8」や「296GTB」などが思い浮かびますが、そのルーツをたどっていくと、1975年に登場した「308GTB」に行き着きます。
そんな308GTBのなかでも、とりわけコレクターから高い評価を受けているのが「Vetroresina(ヴェトロレジーナ)」です。
2026年10月9日にベルギーで開催されるブロードアローオークション主催の「ザウテ・コンクール・オークション2026」に、非常に希少な1976年型「308GTBヴェトロレジーナ」が登場します。
予想落札価格は19万~24万ユーロ。現在の為替レートで換算すると、約3380万~4270万円という価格帯です。
このクルマの最大の特徴が、車名のヴェトロレジーナが意味する通り、ボディにFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を採用していることです。
308GTBはピニンファリーナがデザインし、スカリエッティがボディを製作しました。初期モデルでは軽量化のためFRP製ボディが採用されていましたが、その後、一般的なスチールボディへと変更されます。
ヴェトロレジーナが特別なのは、単に「古い308だから」ではありません。
FRPボディによって車重は約1050kgに抑えられ、欧州仕様ではドライサンプ方式の3リッターV8に4基のウェーバー製キャブレターを組み合わせ、255CVを発揮しました。
後のスチールボディ仕様よりも軽く、しかもこの初期型ならではのメカニズムを持っていることから、現在では308GTBのなかでももっとも価値の高い仕様のひとつになっています。ブロードアローによれば、1975年から1977年までに生産されたFRPボディ車はわずか712台です。
さらに今回の個体を特別なものにしているのが、そのヒストリーです。
車台番号19813の個体は1976年にマラネロで完成し、ドイツ・デュッセルドルフの名門ディーラーを通じて新車販売されました。そして現在までドイツ国内に留まり、なんと新車時からわずか「2オーナー」。現在のオーナーは2人目となります。
走行距離も約1万3500kmと非常に少なく、初代オーナーが病気を理由に長期間保管していたため、発見された時点でも低走行を維持していました。その後、ボディや機械系にはレストアが施されましたが、オリジナルのインテリアは維持されています。

そして決定的なのが、2025年3月にフェラーリ・クラシケの認定を受けていることです。認定によって、エンジン、トランスミッション、シャシ、そしてFRPボディが新車時のオリジナルであることが確認されています。
ボディカラーも「Avorio Safari(アヴォーリオ・サファリ)」という非常に珍しいもの。ブラックのレザー内装との組み合わせも含め、新車時の仕様を現在まで維持しています。
さらに2026年4月には308の50周年を記念するツアーにも参加するなど、単なるガレージ保管車ではなく、現在も実際に走らせることができる個体です。
近年、ヴェトロレジーナの相場も上昇傾向にあります。2026年にはRMサザビーズで1976年型が30万2000ドル、Gooding & Companyでも19万6000ドルで落札されるなど、20万ドル前後から30万ドル級の取引も珍しくありません。
そう考えると、今回の19万~24万ユーロ、約3380万~4270万円という予想価格は決して突飛な数字ではありません。
むしろ「FRPボディ」「欧州仕様ドライサンプ」「2オーナー」「低走行」「クラシケ認定」という条件を考えれば、コレクターにとってはかなり魅力的な一台です。
フェラーリV8の歴史を語るうえで欠かせない308 GTB。そのなかでも、ごく初期にしか存在しなかった軽量FRPボディのヴェトロレジーナが、今回どこまで価格を伸ばすのか。落札結果が大いに気になる一台です。
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