36年間“奇跡の”ワンオーナー車! フェラーリ「テスタロッサ」がオークション登場 気になる予想価格とは
新車時から36年間にわたって同じベルギー人が所有
1980年代のスーパーカーブームを知る世代にとって、フェラーリ「テスタロッサ」は特別な存在ではないでしょうか。
ピニンファリーナが手がけた低く幅広いボディに、左右へ大きく張り出したサイドのフィン状スリット。そしてリアに搭載された4.9リッター水平対向12気筒エンジン。まさに「スーパーカー」という言葉をそのままカタチにしたような1台です。
そんなテスタロッサのなかでも、今回注目したいのが「ワンオーナー」という極めて分かりやすい価値を持つ個体です。

2026年10月9日にベルギーで開催されるブロードアロー・オークション「ゾルテ・コンクール・オークション2026」に登場するのは、1990年型のテスタロッサ。新車時から36年間にわたって、同じベルギー人コレクターが所有してきた個体です。
1990年5月、ベルギーのフェラーリ正規ディーラーを通じて新車購入。その後、一度もオーナーが変わっていません。
走行距離は5万1318km。決して「数千kmしか走っていない」という超低走行車ではありませんが、36年間ワンオーナーで大切に維持されてきたことを考えれば、むしろ年間走行距離は約1400kmにすぎません。
しかも、オリジナルの購入請求書や車両証明書、スタンプが残るサービスブック、整備記録など、新車時からの履歴が非常にしっかり残っています。エンジンも車台番号と一致するマッチングナンバーです。
整備についても抜かりはありません。2024年には専門ショップで、5万688km時点でタイミングベルトやタイヤを交換。さらにエアコン整備、ブレーキマスターシリンダー交換、ブレーキフルード交換、燃料ポンプ交換なども実施されています。つまり、単に「ワンオーナーだった」というだけでなく、きちんと走らせ、きちんと整備してきた個体なのです。
ボディカラーは王道のロッソ・コルサ、インテリアはネロ。さらに純正ラゲッジセットがダストバッグに入った状態で残り、スペアキーも付属します。
では、現在のテスタロッサはどれくらいの価格で取引されているのでしょうか。
2026年のオークションを見ると、かなり大きな価格差があります。たとえばRMサザビーズのマイアミ・オークションでは、わずか4932マイル(約7940km)の1990年型が39万5500ドル、日本円にして約6000万円で落札されました。一方、Bring a Trailerでは走行6万7000マイル(約10万8000km)の1990年型が14万6000ドルで落札されています。
さらに2026年7月には、わずか3700マイル(約5950km)で、家族による長期所有だった1990年型が30万3500ドルで落札されています。つまり現在のテスタロッサは、状態や走行距離、履歴によって、おおむね15万~40万ドル近くまで大きく変動する相場になっています。
実際、1990年型に限定したCLASSIC.COMの市場ベンチマークは17万7995ドル。今回の個体は走行距離だけを見れば、この基準を大きく上回る超低走行車ではありません。しかし「36年間ワンオーナー」「マッチングナンバー」「新車時からの整備履歴」「オリジナルのラゲッジセット」という履歴面での強さがあります。
ブロードアローが設定した予想落札価格は14万~19万ユーロ。日本円では為替によって変動しますが、1ユーロ=約180円とすれば約2520万~3420万円です。しかも「Without Reserve」、つまり最低落札価格なしでの出品となります。

近年、テスタロッサは単なる「昔のスーパーカー」から、コレクターズカーとして改めて評価されるようになっています。そのなかで今回の個体が面白いのは、派手な低走行記録ではなく、「36年間、たった一人のオーナーが所有してきた」というストーリーです。
オークションでは、こうした履歴の明確さが思わぬプレミアムを生むことがあります。果たしてこのテスタロッサが予想レンジの上限に近づくのか、それとも相場通りの価格に落ち着くのか。1980年代のスーパーカー少年たちを熱狂させたフェラーリの現在の評価を占う1台となりそうです。
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