限定1270台の“スゴいポルシェ”が高騰中! ル・マン由来のV10と6速MTを備えた名車「カレラGT」がいま再評価される理由
予想落札価格は200万〜250万英ポンド
ポルシェの歴史において、特別な存在感を放つスーパーカーが「カレラGT」です。
2003年に発表され、2006年までに1270台が生産されたこのモデルは、レースのために開発された自然吸気V型10気筒エンジンを搭載。電動化や高性能化が進む現代のスーパーカーとは異なる、アナログな操縦感覚を味わえる名車として、いま改めて注目されています。
今回、RMサザビーズの「ロンドン・オークション2026」に出品されるのは、2004年式のカレラGTです。予想落札価格は200万〜250万英ポンド、日本円で約4億〜5億円に相当します。

カレラGTの魅力は、誕生の背景からして特別です。
もともとはル・マン24時間レースへの参戦を目指したプロジェクトから生まれました。搭載される5.7リッターV10エンジンのルーツは、1990年代初頭にF1用として開発されたエンジンにあります。
その後、ル・マン参戦を想定したプロトタイプ「LMP 2000」にも発展しましたが、計画は中止。最終的に、この競技由来のエンジンが公道用スーパーカーの心臓として日の目を見ることになりました。
最高出力は603馬力。これを6速MTで操るという、現代では貴重な組み合わせも特徴です。
カーボンファイバー製モノコックやカーボンセラミックブレーキなど、当時の先端技術を惜しみなく投入。ポルシェのモータースポーツ技術を公道で味わえるフラッグシップとして、フェラーリ「エンツォ」などと並ぶ2000年代を代表するスーパーカーとなりました。
では、1270台という生産台数は、希少車としては多いのでしょうか。フェラーリの限定モデルなどには数百台規模の車種もあり、数字だけを見れば、カレラGTは極端に少ないわけではありません。
しかし、その価値は台数だけでは測れません。自然吸気V10、6速MT、軽量なカーボン構造という組み合わせは、後継モデルで簡単に再現できるものではないからです。電子制御に頼りすぎないドライバー主体の操縦感覚も、コレクターを惹きつける理由といえます。

実際、オークション相場にも変化が表れています。
2022年には220万ドルで落札された例があり、その後、2023〜2025年は150万ドル前後の取引も見られました。しかし2026年に入ると相場は急上昇。RMサザビーズでは1月に308万5000ドル、2月には330万5000ドルで落札され、3月にはブロード・アローのオークションで671万5000ドルという記録的な価格も登場しました。
もっとも、こうした高額落札には、極端な低走行距離や特別なボディカラーなど、個体ごとの条件も影響しています。
今回の出品車は、ドイツで新車納車された後、日本で長く整備を受け、2021年から英国で登録されている個体です。
ボディカラーはGTシルバー、内装はダークグレー。XTバケットシートを装備し、カタログ掲載時点の走行距離は2万5694マイル(約4万1400km)です。2025年にはポルシェ正規サービスセンターで整備を受け、タイヤ4本も交換されています。
1270台という数字以上に、ポルシェのレース活動と公道用スポーツカーの歴史をつなぐ存在であること。それこそが、カレラGTがいまも高く評価される理由でしょう。
今回の予想価格は、近年の相場上昇を反映したものですが、最終的な落札価格がどこまで伸びるのかにも注目が集まります。
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