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「ヤリス」が800万円オーバーは妥当か!? BMW「E46M3」と変わらない値段の「GRMNヤリス」の価値を検証します

「GRヤリス」よりも300万円以上も高額になる理由とは?

 さて、GRMNヤリスに話を戻そう。ベースとなったGRヤリスは、非常によくできたクルマだ。このクルマでサーキット走行会に参加しても、なにか問題があるというわけではない。

 タイヤをよりハイグリップなものとし、ブレーキパッドを強力な、適応温度の高いものに変えたとしても、GRヤリス自体になにか問題が出るということもない。もちろん、好みによってサスペンションを交換するなどといったチューニングをおこなうこともあるだろうが、だからといってボディ剛性が足りないこともない。一般的なモデルのように、タイヤをハイグリップにしたりサスペンションを変更したらボディがよれてサスペンションがきちんと機能しないなどということはなく、高いレベルの走りを楽しむことができる。

サーキットパッケージを装着すると、派手なリアスポイラーが追加される
サーキットパッケージを装着すると、派手なリアスポイラーが追加される

●レースのノウハウをフィードバック

 しかしTOYOTA GAZOO Racingは、GRヤリスでのレース参戦を通じて、さまざまな改善ポイントを見つけ出していた。その改善、チューニングを施しているのが、GRMNヤリスというモデルである。

 具体的には、よりボディ剛性を高めるため、スポット溶接個所を545点増やし、パネルボンドによる接着個所も増加させている。このスポット溶接の増しうちや、パネルボンドによる接着個所の増加というのは、補強部材の追加と比べた場合、車両重量増大に繋がらないというメリットがある。

 そのかわり、組み立て時の工数はそのぶん増えることになり、つくるのに必要となる時間も増えてしまうので、製造コストがどうしても高くなってしまう。しかし、GRMNとするためには、それをやることが必要だとトヨタは判断したわけだ。

 また、ボンネットやルーフには、新工法のカーボン素材を採用している。GRヤリスは比較的、ボディが縦長だ。イチからスポーツカーを設計するのなら、もっと背が低いシルエットとしたのだろうが、あくまでこれはヤリスから派生したものであるから仕方がない。それでも重心を下げるため、GRヤリスはルーフの高さを下げているが、GRMNヤリスではさらに重心を下げるため、GRヤリスのカーボンルーフやカーボンボンネットよりもさらに軽いものを採用したというわけだ。

 装備面では、クラッチを強化品としているほか、LSDは機械式に変更。マニュアルトランスミッションはギア比をクロス化している。シートはレカロ社製のフルバケットシートだが、なんとこれには、サイドエアバッグが装備されている。身体をしっかりとホールドできるフルバケットシートは、大きなGが身体に掛かるサーキット走行で正確な運転操作をするための必需品である。それを装備するのはわかるが、そこにサイドエアバッグを装備するというのは、一般道での安全面を含めた気遣いだろう。

●チューニング内容を見れば価格は妥当

 もしGRヤリスをすでに所有している人が、GRMNヤリスと同じような仕様にする場合には、まずクルマからエンジンやトランスミッション、駆動系や内装一式をすべて外してホワイトボディ状態にし、スポット溶接などを施さなければならない。

 さらに、トランスミッションも分解してギアを購入して組み直し、LSDも購入して交換。ルーフやボンネットも交換して、再度内装やエンジンなどを組み付けていくという作業が必要となる。その部品代や作業工賃を考えると、とても300万円で収まるようなものではない。もちろん、GRMNヤリスに注ぎ込まれた、レース参戦から得た目に見えない製造やセッティングのノウハウといった部分の価値は別に見積もって、だ。

 このように考えると、GRMNヤリスの731万7000円というプライスは妥当どころか、バーゲンプライスといっていいものといえるだろう。

 ちなみに、すでに20年ほど前のクルマとなるが、BMWのE46型「M3」の新車価格が800万円くらいだった。現行型「M4クーペコンペティション・トラックパッケージ」の車両価格は1489万円である。車両価格が上がっている理由には、単純に物価が上昇したということもある。

 GRMNヤリスに、専用のBBSホイールと18インチブレーキ、ビルシュタイン製車高調、減衰力調整式サスペンション、カーボン製リアスポイラーなどが装備されたサーキットパッケージは846万7000円。

 アンダーガードやサイドバー付きのロールバーなどが装備された、ラリーパッケージは837万8764円。さらに、有料オプションとはなるが、エンジンのアップデートプログラムや、オーナーのドライビングデータから空力や減衰力、バネレートなどのハード、ステアリングやエンジン制御、駆動力配分などのソフトウェアのセッティングをおこなうパーソナライズプログラムも用意されている。

 M3とは排気量も違えば車格も違うことから、一概にはいえないのだが、GRMNヤリスのお買い得感、メーカーとしてのやる気が、強く感じられる価格設定であるとも考えられるのである。

>>トヨタGR・ヤリス のカタログ情報を見る

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