「シンガーポルシェ」だけじゃない! メルセデス・ベンツにもレストモッドが浸透中! “最新”R107型「300SL」は2200万円
クラシックな見た目とはギャップある走行性能とは
1989年式の300SL、パッと見たところ「綺麗だなぁ」、「ちょっとフロントの車高が低いかなぁ」、「ドアミラーのメッキカバーは?」という感想を抱く程度。しかし、中身は……。
まさか0−60mph(96km/h)加速が9.6秒から5.9秒になり、最高速が126mph(202km/h)から164mph(264km/h)になっていようとは誰も思うまい。一世代後の「SL350」とほぼ互角のパフォーマンスだ。さすがに、現行モデル並み、とまではではいかないが、33年前のクルマとしては劇的な俊足ぶりに興奮を覚える。

●「レストモッドの中古車」は価値を維持できるのか?
エンジンはオリジナルをベースにチューニング(ポート研磨、軽量フライホイール、吸排気見直し、燃料噴射装置の大型化、ECUなど)、トランスミッションは初期の「Cクラス」MTから移植。足回りはオリジナル部品で一式構成されている。
目につくところは“チューニングカーっぽい”外部メーカーの部品を使うのではなく、新しめのメルセデス・ベンツからパーツの流用をしていることも特筆すべき点かもしれない。内外装は細かな点が改良されてはいるが、ほとんど純正の雰囲気を保っている。
シートベルトの縁にボディと同じ赤色を入れてみたり、シートはパイピングを取り払いステッチを施したり、ヘッドライト上部に黒いラインを入れたり、実に芸が細かい。ただ、ここまで完璧な仕上がりとなると、さすがに懐には優しくはない。
同社が販売している近い年式の300SLと比較すると2~3倍のプライスだ。現在、ホームページに掲載されているお値段、13万9995ポンド(邦貨換算約2240万円)というから現行SLにオプションをたんまり追加した金額くらいだろうか。
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ネオクラシックカーにおける最上級な差別化、レストモッド。この300SLのプライスが高いと見るか、妥当と見るか、なかなか悩ましい。どうしてもフルレストレーションのほうが、作業内容が分かりやすく均一に評価をしやすい。
レストモッドが二次流通、三次流通した際、どの程度の価値を維持できるかが今後、クルマ文化のひとつとして根付くか否かの肝になるだろう。と同時に、レストモッドの評価はショップごとの“信用力”や“ブランド力”に左右されもしよう。
そういう意味で、SL SHOPが13万9995ポンドで売却できるか否か、試金石のひとつになりそうだ。
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