ソニー&ホンダの新型EV「アフィーラ」に勝機はある? テスラや先行する欧米のEVにはない魅力とは
CES2023会場で登場したアフィーラだが現地での注目度は低かった
2022年1月5日から8日にかけて、米ネバダ州ラスベガスで開催された世界最大級のエレクトロニクス関連見本市「CES 2023」で、日本のメディアが最も注目していたもの、それはソニー・ホンダモビリティ(以下:SHM)が昨年の新会社設立発表会で予告したプロトタイプの発表に他なりません。
世界的に自動車の電動化シフトが進む中、日本で生まれた新たなEVメーカーが放つ新製品に大きな関心が寄せられたのです。

振り返れば3年前、ソニーはCES2020のプレスカンファレンスの場で、EVプロトタイプ「VISION-S」を発表して世間をアッと驚かせました。それから毎年のようにソニーはプロトタイプの更新を行い、昨年のCES2022ではついにソニーグループの吉田憲一郎CEOが「EVの販売を検討する新会社設立」に言及したのです。そこから状況は大きく動き始めました。
2022年3月には、ソニーとホンダが50%ずつ出資し合って新会社を設立し、同年10月の新会社設立の発表会で新たなブランドの下で独自のEVを発売することを宣言。そして、発表会最後にはCES2023で開催されるソニーのプレスカンファレンスにおいて、新会社が製品第一号とするEVについて何らかの発表が行われることが示されました。
これに日本のメディアは激しく反応したというわけです。
そして1月4日当日、立ち見が出るほどのメディア関係者が見つめる中、プロトタイプがステージに向かって左側から登場。そこで新ブランド名『AFEELA(アフィーラ)』が発表されたのです。
そのプロトタイプのデザインは、ファストバックスタイルが強調されたものの、それはVISION-Sの流れを汲んだものという印象を受けました。ただ、サイドビューには凹凸が一切なくなり、」よりシンプルなデザインに仕上がっている印象です。
これには「シンプルですっきりした」「印象に残らない」と賛否が分かれました。
個人的には「スッキリとはしていて飽きは来ないかもしれないけれど、登場の演出があまりに地味」との意見です。市販を意識したプロトタイプとして発表するのであれば、もう少しインパクトのある演出の中で登場しても良かったのではないかと思ったのです。
実は、日本メディアがこのAFEELAに注目したものの、発表が行われた現地では思ったほど注目はされていませんでした。
というのも、同じ日に、たとえばボディカラーを無限に変えられる「BMW i Vision Dee」や、奇抜なデザインで注目を浴びたプジョーの次世代EV「Peugeot Inception Concept」などの発表もあり、その多彩な演出にAFEELAの発表は埋もれてしまった感が強かったのです。
そうした中で発表されたAFEELAのプロトタイプは、2025年前半に北米で先行受注を開始し、その年の後半には日本でも先行受注を開始。26年前半には北米から順にデリバリーしていくとのスケジュールです。
生産は当面、北米にある工場で行うことも発表されています。
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