メルセデスのV12エンジンがコーヒーテーブルに変身!? 自動車パーツ製の家具はクルマ好きになぜウケる?
不動車のエンジンブロックを使ってテーブルを製作
YouTuberのWesley Kaganさんが、手元にあったV12エンジンを使ってコーヒーテーブルを製作する様子がYouTube上で注目を集めています。

「神は細部に宿る」とか「形態は機能に従う」とは、部品やデザインを表現する際によく用いられるフレーズですが、クルマのパーツを見て萌えてしまうというクルマ好きも少なくないはず。ひとつひとつのパーツの詳細が分からなくても、その造形美に思わず時の流れを忘れてしまいそうです。
そして、そのようなマニアックな需要が存在するからこそ、クルマのパーツを用いた家具類が多く出回っているのでしょう。手っ取り早いところでは、使わなくなったホイールやタイヤの上にガラス板を載せるだけで小さなテーブルが完成します。また、ガラス板の代わりに衝撃吸収クッションを敷けば、簡易的なイスにもなります。自動車のパーツは想像力次第で、いかようにでも家具を仕上げることができるのですね。
●ピストンが動く様子を眺めながらくつろげる
Kaganさんのコーヒーテーブルは、メルセデス・ベンツ「S600」のV12エンジンを用いたもの。このエンジンは15万マイルを走破したもので、1番シリンダーが焼きついて不動の状態だったそうです。
Kaganさんはそのエンジンをバラし、油脂類を除去し、再度組立て、バイブレーションダンパー部分に3Dプリントした歯車を装着。電気モーターでクランクシャフトをゆっくり回す加工まで施しています。また、エンジンを支える土台には、わざわざ樫(かし)の木を加工して脚をつくるという念の入れようです。
その仕上がりは圧巻のひと言に尽きます。コーヒーを飲みながら、シリンダーがゆっくり動く模様を眺めることができるんですもの。これほどしっかりつくり込まれた自動車パーツ発の家具は、今まで見たことがありません。
ちなみにKaganさんは、完成したコーヒーテーブルをeBayに出品していました。65件の入札があり、2550ドル(約34万円)で落札されています。ピストン稼働式ではないコーヒーテーブルよりは高めですが決して高額ではなく、落札者はラッキーだったといえるかもしれません。
eBayを眺めていると、クルマのパーツを用いたさまざまな家具が出品されていることに気づきました。ただいずれも、Kaganさんのコーヒーテーブルに比べたら簡素なものばかりに思えてしまいまし。
元がBMWだろうとジャガーだろうとロールス・ロイスだろうと、クルマのパーツを用いた家具はそもそも廃棄処分されるはずだったパーツを用いていますから、材料費に大差はありません。ガレージをお持ちの方なら容易にDIYでチャレンジできるでしょう。個人的には、シリンダーブロックを使わなくても、カムシャフトやクランクシャフトだけでコーヒーテーブルがつくれるという発見が面白く感じました。
それにしてもKaganさん、YouTube上にテーブルの製作工程の動画をアップして再生数を稼ぎ、テーブル自体はネットオークションを活用して販売とは、なかなか賢い人ですね。今の時代、こういう副業もアリかもしれません。