VAGUE(ヴァーグ)

スポーツカーの実力試しに最適「サーキットが中心“クルマ好きのための”会員制リゾート」潜入レポ

クルマ遊びの舞台はクローズドな場所へ

 高級車販売でお馴染みのコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドが、現在、南房総に建設中なのが「THE MAGARIGAWA CLUB」。自動車用ロードコースを中心とした大規模な新しい複合リゾートを、ひと足先に体験してきました。

舗装されたばかりの「THE MAGARIGAWA CLUB」のロードコースをフェラーリ「360モデナ」で試走した(C)阿部昌也
舗装されたばかりの「THE MAGARIGAWA CLUB」のロードコースをフェラーリ「360モデナ」で試走した(C)阿部昌也

 サーキットを走りたいと思っても、最近は予約をとるのが難しくなっているとのこと。スズカやフジはもちろん、地方のミニコースでも土日の枠取りはなかなか困難で、平日でも占有許可はそう簡単には取れなくなっているといいます。また、サーキットに限らず、ドリフトやジムカーナ用スペースも盛況。公道を封鎖しておこわれるヒルクライム競技なども、開催を発表するやいなや参加希望が殺到する状態だといいます。

 なぜこんな状況になっているのでしょう? それは、クルマ遊びの舞台が“健全”にも、そうしたクローズドな場所へと移ってきたからです。かつて峠道や夜のハイウェイで非合法にハイスピードドライビングを楽しんでいたスポーツカー愛好家やスーパーカーオーナー、さらにはアングラ暴走族系までもが、公道をあきらめてクローズドなコースへと進出しているのです。筆者は素晴らしいことだと思います。

 今後、こうした風潮はますます高まっていくと予想されます。そしてそうなってくると、クルマをつくったり売ったりする側、つまりメーカーやインポーター、ディーラーまでもがそういった場所や機会を積極的に提供することが望まれるようになるでしょう。特に高性能モデルを製造・販売するメーカーやインポーターの責任は、重大になってくると考えていいでしょう。

 海外の自動車先進国を見渡せば、サーキットや専用走行コースがかなり充実しており、なかには会員制ゴルフクラブのような施設も増えてきました。レースを前提としないロードコースをメインにホスピタリティを充実させ、宿泊機能やアトラクション、ドライビングスクールなどを付帯するリゾート施設が登場しています。

 自動車大国の日本にも、そうした施設がひとつやふたつ、あってもよさそうですが、実際にレースを開催するサーキットをメインとした施設以外で、そのような試みはこれまでありませんでした。

 そんな中、コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドは、南房総に自動車用ロードコースを中心とする大規模な複合リゾート「THE MAGARIGAWA CLUB」を建設すると発表。このニュースは世のクルマ好きを大いに驚かせました。

 コーンズといえば、かつてはフェラーリやロールス・ロイスといった超高級車ブランドのインポーターとして名をはせた企業で、今でも多くの高級車販売に携わっています。日本では随一の、優良な顧客を抱える企業だといっていいでしょう。

 とはいえ、メーカー系ではない一介の販売会社が、専用コースのみならずストレージやクラブラウンジ、レストラン、温泉、子ども用施設、ホテル、分譲コテージまで内包したクルマ好きのための一大会員制リゾートを建設するという計画は、ちょっと無謀なのではないか? コーンズさん、大丈夫? と心配した方も多かったことでしょう。かくいう筆者もそのひとりで、初めてこの計画を聞かされたとき、本当に驚きました。と同時に、そこまでクルマ好きの未来を考えてくれていたんだ、と、同社の決断に感服しました。

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Gallery 【画像】オープンに向けて工事が進む「THE MAGARIGAWA CLUB」を見る(9枚)
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